だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

学術書の罠

 

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本棚を見ていてふと気がついたのだが、あまりに読んでいない本が多すぎる。特に学術系の本は読んでいない。

おそらく「これを読めば賢くなれそうだ」と買ったのだろうが、背伸びをしすぎたのだろう。数ページを読んで「わからん」とあきらめてしまうことが多いようだ。

例えば、ブライアン・グリーンの「エレガントな宇宙」である。超ひも理論がすべてを解明するらしいのだが、もう、帯の惹句ですら理解できない。完全に理系の本だと思うのだが、これが全米のベストセラーになったんだそうだ。日本でもそこそこ売れたはずで、でなければ私が手にとるはずはない。

ということは、私よりも頭のいい人間が大勢いるか、私と同様、「これを読めば賢くなれそうだ」と考えた浅はかな人間が大勢いるか、そのどちらかと思われる。自分よりも頭がいい人間が大勢いると考えるのは、これは少々癪であるから、後者が大勢いるということにする。

ジャレド・ダイヤモンドの「銃・病原菌・鉄」は歴史の本であるから、とりあえずは理解できる。だが、改行は少なく、セリフはまったくなく、しかも上下巻の大作である。もう、5ページほど読んで疲れ果て、人類史の壮大なミステリーなんかどうでもええわいと放り出してしまうのだ。

リチャード・フォーティの「生命40億年史」も同じだ。読んでも理解できない。我慢して読み続けても、ただ文字を追いかけているだけで、何の感銘もない。もちろん知識は身につかない。時間の無駄である。

いい加減学習すればいいのだが、書店で賢げな本を見かけると、つい買ってしまう。学術系の本は高価な場合が多いのだが、むしろ「これだけ高いのだからお値打ち本なのだろう」とありがたく買ってしまうのである。

このあたり、高価な英語の教材をつい買ってしまう人と似ていて、「確かに高いが、それだけ優れた教材に違いない。これを買えば私も英語がペラペラに」と信じ込むのと同じである。この手の向上心につけ込んだ商法は、やはり効果的なのだろう。私のような人間は、大勢いるのである。

向上心と言うと聞こえはいいが、正確には「見栄」である。賢く見られたい、という願望であって、それは向上心とは別物なのだ。

向上心を完遂させるには、モチベーションと集中力と根気が必要であり、見栄からは、モチベーションすら生まれない。

 

 

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