だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

マカロニ・ウェスタンと馬鹿にしてはいけない。ジュリアーノ・ジェンマ「南から来た用心棒」

映画の話になって「マカロニ・ウェスタンが好きだ」というと、なんとなくだが、相手がちょっと上から目線になるような気がする。被害妄想だろうか。

もちろん私だって文学青年の成れの果てである。

アンゲロプロス監督の「永遠と一日」やらアントニオーニ監督の「愛のめぐりあい」、ルコント監督の「髪結いの亭主」など、ちょっと面倒臭い映画にも好きな作品はある。そういった映画を話題にしたほうが、高尚な人だと思われはするだろう。

だが、マカロニ・ウェスタンの方が好きなんだから仕方がないではないか。

例えば、「南から来た用心棒」である。

監督は、ミケーレ・ルーポ。Googleの日本語変換でも出てこないのである。フランシス・コッポラなら、推測変換ですぐに出るのに、ミケーレ・ルーポは出ない。Googleまで、マカロニ・ウェスタンを馬鹿にしているのだ。実に不愉快だ。

主演は、ジュリアーノ・ジェンマ。イケメンである。

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どんな話かというと、まあ、ストーリーはあまり関係ない。残虐非道な盗賊団と一人のイケメンガンマンとの戦いを描いた映画だ。

ある刑務所から映画ははじまる。そこを盗賊団が襲う。囚人たちを開放し、自分たちの仲間にするのだ。「いや、わしは明日釈放だし」などと断ると、すぐに殺される。みんないやいや仲間になり、腕に仲間の印である焼印を押される。

ただ一人、それにイエスと言わない男がいた。それがジュリアーノ・ジェンマ(アリゾナ・コルト)だ。かなりのイケメンである。そして、銃の名手である。脅す盗賊たちに銃の腕前を見せつけ、「仲間になれだって? まあ、考えとくよ」と華麗に去っていく。

盗賊団に捕まって両手両足を撃ち抜かれるといったピンチはあったのだが、そこはマカロニ・ウェスタンである。最後はちょっと卑怯なトリックを使って盗賊団をやっつけ、残虐な首領は、怒り心頭の町の人から袋叩きにあうのである。

ラスト、傷ついたアリゾナ・コルトの手当をしているうちに彼を好きになったヒロインに、「ずっとこの町にいて」と請われるのだが、「ずっとだって? まあ、考えとくよ」と言い残し、彼は馬に乗って去っていく。

実に格好がいい。やっぱりイケメンは得である。

マカロニ・ウェスタンには名曲が多いのだが、「南から来た用心棒」のテーマ曲も素晴らしい。確実にベスト3に入るのではないか。ちょっとYouTubeのを載せておこう。


Arizona Colt - Fransesco De Masi (1966)

私は英語はさっぱりなのだが、今時の崩れた英語に比べると、由緒正しき美しい英語に聞こえる。メモも兼ねて、歌詞も載せておこう。

 
The Man From Nowhere
from the film Arizona Colt
music by Francesco de Masi     sung by Raoul
 
He came out of nowhere with no one beside him,
He rode out of the sunrise all alone.
A man out of nowhere with no one to love him,
His one faithful companion was his gun.
No one could say just where he came from,
No one could say where he was going.
Was he a man without a love?
A man with a heart made of stone.
 
The moon on the mountains a sky full of star lights,
And some wary young stranger on his way.
No one could say just where he came from,
No one could say where he was going.
As he had come he rode away,
A man with a gun all alone...A man with a gun all alone.