だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

「仙台育英足蹴りサヨナラ事件」彼を救えるのは監督だけだ

no title

河野多恵子さんの小説に「後日の話」という作品がある。

処刑される直前に面会に訪れた妻の鼻を、夫が食いちぎってしまうという話である。なかなかショッキングな展開だが、重要なのは、鼻を食いちぎられた妻の「後日の話」である。

大切なのは、いつも「後日の話」なのだ。

例えば、仙台育英の選手が大阪桐蔭一塁手の足を蹴ったという事案も、大切なのはその後である。

足を蹴った仙台育英の選手は、その後実名を晒され、猛バッシングを受けた。それだけ、あの動画が衝撃的だったということだ。彼は、TwitterInstagramを監督の指示で閉鎖し、翌日の試合のスタメンからも外れた。テレビのアナウンサーは「熱中症」と言っており、本人は「監督から準決勝決勝で戦ってもらうために、今日は休めと言われた」と語っている。

事実は、言うまでもなく、大阪桐蔭戦による騒ぎを静めるためだ。これは憶測ではなく、それ以外の理由は考えられない。彼がバッターボックスに立てば、どんな野次が飛ぶかは明白である。「一塁手、足に気をつけろ~っ」

高校生には、過酷な経験だ。おそらくその過酷な経験は、これからも続くだろう。ネットは残酷で浅はかで、しかもキリがないのである。

一つだけ彼を守る方法がある。

それは、監督が「実は、普段から『試合では、相手を傷つけるくらいの闘争心を出せ!』と言っていた。あのプレーは、そんな指導からつい出てしまったのだろう。私の責任です」と言うことである。

例え嘘をついてでも、そう語るべきだと思う。大人なんだから。

それしか彼へのバッシングを和らげる方法はない。

まあ、仙台育英という高校は、生徒が腕に何十箇所も根性焼きをやらされたにも関わらず、なぜか被害者を退学させ、しかも「両者の合意の上だった」と語るなど、かなり指導方針に問題がある学校のようだ。

生徒を守るために、自分を悪者にする勇気はないかもしれない。ま、だからと言って、責めることはできないのだが。

 

 

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