だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

ミサイルが落ちてきたときの対処法。自分の命くらい、自分で守れ、馬鹿者よ。

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私は、バイクに乗る男である。

バイク乗りは、信号待ちをしていれば後ろから車が突っ込んでくるのではないかとミラーを睨みつけ、交差点を直進時には対向の右折車がヨタヨタと曲がろうとするのではないかとブレーキレバーに指をかけ、コーナーでは砂が浮いているのではないかと目を凝らす。非常に面倒な乗り物である。

それができない脳天気な人間は、バイクに乗る資格はないのだ。

バイク乗りは、そうした危機に対応するシミュレーションを常にやっているせいか、普段街を歩いていても気を抜かない。

例えば、目の前を歩いているオッサンが、突然、振り返って「わしの跡をつけてるやろっ。殺したるっ」と包丁を振りかざしてきても、「やめたまえ」と冷静に対処できるのだ。例えば、目の前の女の子が、「好きすぎて怖い。抱いてっ」と裸で迫ってきても、「やめたまえ」と極めてクールに対応できるのである。日々のシミュレーションの成果だ。

そう言えば、前に就寝中に大地震に遭遇したときも、私は即座に枕を頭に載せて落下物を防ぎながら階段を降りようとしたのだが、ちょっと足を踏み外して転げ落ちて肋骨にヒビを入れた。枕がなければ、おそらく頭蓋骨骨折である。これも日々のシミュレーションの成果だが、まあ、揺れている最中は階段は使わないほうがいい。

さて、Jアラートについては、色々ぶつくさ言っている人がいるようだ。

「ミサイルが飛んできたらどこに逃げればいいのか?」

アホか。そんなもの自分で考えろ。家にいる場合、会社にいる場合、通勤途中、それぞれにベストの行動は違うわけであり、臨機応変に対応しなければならない。茨木のり子さん風に言えば、自分の命くらい、自分で守れ、馬鹿者よ、といったところか。

そもそも戦争映画で、「うわー、銃弾の雨やんけ~。どこ逃げても一緒やな」とボケーッと突っ立っているやつがいるか? 例え生存の可能性は低くても、少しでも安全と思われる場所に移動し、姿勢を低くするのは必然である。

鳴ってからたった3分では、逃げられない?

日常的にミサイルの飛んでくる国の人は、「えっ、3分もあるの?」と羨ましがっているぞ。「うちなんて鳴ってから数十秒で落ちてくることがあるよ」

3分間あれば、非常に多くのことができる。カップヌードルだって作れるのだ。

ちなみに私のケータイは古い古いガラケーで、緊急速報メールすら受けることが出来ないようだ。「マジでこんなんで起こすなクソ。こんなんで一々出すシステムを入れるクソ政府」とぶつくさ言っていたホリエモンさんが羨ましい。

みんながJアラートで危機に対応している最中、私一人がのんびりとガリガリ君を食っているのではないかと心配である。

ま、バイク乗りの危機管理能力があれば、Jアラートがなくても大丈夫だけどね(たぶん)。