だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

「棄権していい。へたに投票しないでくれ」ああ、そう言えば民主党が政権奪取した時は、私もそう思ったなあ。

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こんなことを言っている人がいる。

「選挙に行くことは、この国のグランドデザインを考えること。それを考えられない人は棄権していい。将来を考えると、『へたに投票しないでくれ』とも思います。今は同調圧力がとても強い時代で、特に若者は多数派に流れる傾向がある。無自覚な同調圧力が蔓延しています。そばにいる数人が『自民党支持』と言ったら、自分も自民党支持になる傾向が強い。多数派はより多数派に、少数派はより少数派になってしまう」

いやあ、ずいぶんと乱暴な考え方なのだが、実はこの人、大学で教授もやっている映画監督らしい。名前を聞いたことがなかったのだが、その経歴を見てみると、どうやら左翼で食っている人のようだ。

上記の考え方は乱暴だが、実は、私も同じことを考えたことがある。民主党が政権を獲ったときだ。

自民党にお灸をすえよう」「一度民主党にやらせてみよう」などという、景気が落ち込んでも生活に困らないマスメディアの連中の口車に乗り、いそいそと投票所に出かけて民主党に票を入れた人たちを、私は、「アホが選挙に行くな」と思った。アホが選挙に行ったおかげで、日本は大混乱である。非常に迷惑だった。

さて、上記の映画監督は、「同調圧力」が若い人の自民党支持の原因の一つだと言っているが、これは間違いである。映画監督が反自民で若い人が自民支持というその違いは、政治に何を求めるかの違いだ。

若い人たちは、「安定した経済」を求めている。となれば、自民党という選択しかない。

考えてみれば、当たり前のことだ。これから長く生きていく彼らにとって、不景気な社会では生きづらい。就職氷河期など、ゴメンなのだ。保身に走る若い人に対して、「自分の生活じゃなくて、この国のグランドデザインを考えろ」と言うのは無理難題である。

一方、映画監督が求めているのは、「理想」である。そりゃあ、功成り名遂げた人なら、理想を求められるだろう。理想を語ればいい気分にひたれるだろう。だからと言って、自分の生活を重視する若い人に対して「棄権していい」と言うのは、これは暴言である。

リベラルな人というのは、理想を追いかけすぎて、リアルに生きる人たちが見えなくなっているのではないか。本当にリベラルな活動をしている人は弱者に体当たりで寄り添い、彼らの生活や心を支えている。そういう人たちは、政治的な発言をしない(する人もいるけど)。

今の若い人は、そうした理想のみを追いかけ、その挙句に露骨な印象操作や世論誘導を行う新聞やテレビ、それを後押しするリベラルな人たちに愛想を尽かしているのだ。ワイドショーしか見ない爺さん婆さんとは違うのである。もう、とっくに見抜かれているのだ。

「棄権していい。へたに投票しないでくれ」

こういう言葉を平気で語れるようになったら、人間、終わりだなあと思う。私も民主党が政権奪取した時、「アホが選挙に行くな」と思ってしまったことを反省している。

まあ、今回の衆院選で万一「立憲民主党」が政権を獲ったら、「このクソボケが~っ! アホが選挙に行くな~っ! 立憲民主党に入れたやつは死ね~っ、ヘソ噛んで死んしまえ~っ」と大声で叫びそうな気がする。困ったものだ。