だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

ハゲで不細工でコミュ障のオッサンが主人公の悲しいゾンビ映画「ベルリン・オブ・ザ・デッド」

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上の写真のオッサンが主人公です。

いやあ、ハゲてますね。それほどの歳じゃないんだけど、ハゲてます。結構、額も広いんですよ。もう、復活する可能性はないですね。アデランス待ったなしです。

しかも、顔が不細工なんですよ。いや、それほど不細工じゃないな。目鼻立ちは見ようによってはいいんだけど、ちょっと精神が病んでるような、異様な雰囲気というか、オタクというか、パッと見てノーサンキューと言いたくなるような顔をしてます。まあ、ハゲの時点で終わってますがね。

おまけにコミュ障です。

冒頭のシーンでも、男を相手に「なぜ僕を捨てて出ていったんだ!」などと言ってるんですが、振られた女に言うセリフの予行演習をやってるわけです。もう、そんなことをやる時点でアウト~!ですよ。間一髪アウトじゃなくて、ホームベースの5メートルくらい前でアウト~!です。救いようがない。

で、冒頭のシーンで出てくる相手の男も、不細工というか華のない頭の悪そうな人物で、なんか見ていてドヨ~ンとしてくるわけです。「えー、おれ、せっかくの休みをこんな映画見て過ごすの?」なんていう気持ちになっても無理はないでしょう。

いや、心配ご無用。

この映画、わずか62分の作品なんですよ。これが140分の映画ならおすすめなどしない。62分なら、多少できが悪くても我慢できる範疇です。あの伝説的駄作と名高い「ガッチャマン」や「デビルマン」だって、上映時間が62分なら、あれほどの低評価にはならなかった。「まあ、短いからね。ええんとちゃうの」と許してもらえたはずなんです。

いやいやいや、この映画は、あれほど酷いわけじゃないです。

それどころか、そこそこ面白い。ほとんどがアパートでのシーンだし、ゾンビ映画定番の「ヒャッハー、デパートで欲しいもの取り放題だぜ!」というのもないし、街並みは殺風景だし、スカッとするシーンもない。やっぱりハゲのオッサンが主人公なだけあって、展開も地味なんですよ。

しかし、あなた。

ハゲだからと言って、馬鹿にしてはいけない。ハゲだってオケラだって、みんなみんな生きているんだ友達なんだ。ハゲでもやる時はやるんだ。これがハゲの底力だ。最後は、侠気をしっかりと見せてくれるわけです。

いやあ、ちょっと感動しました。

ゾンビ映画ということで、「生と死」というテーマが流れているのは当然なんですが、もう一つ、この映画には「美しさと醜さ」というテーマも存在します。もう一人の主要な人物に若い男が出てくるんですが、これがイケメンでしてね。中年のハゲのオッサンとの対比が実に見事、というか切ない。

という訳で、ハゲの私としては悲しい悲しいゾンビ映画だったのです。