だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

まさにSUPERMARKET FANTASY(ミスチルとは、ほぼ関係なし)

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スーパーには、時々行く。 

割りと好きなのが果物売り場と野菜売り場である。特に果物売り場は、最近は食べたことがないような品種も多くて楽しい。「ほお、ドラゴンフルーツも安くなったものだな」などと感心しながら、見て回る。だが、買わないのだ。

珍しいだけで買ってしまうと、結局、後悔することになる。たいていそうだ。バナナやぶどう、いちごなどの果物がなぜポピュラーなのかが理解できる。うまいからだ。珍しい果物がなぜ珍しいかというと、うまくないから広まらなかったのだ。自明の理である。

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ちなみに上の写真は、サラックという果物である。見た目は不細工だ。

「ほお、えてしてこういう外見のほうがうまかったりするもののだ。人間と同じだな。薄っぺらなイケメンと深みのある不細工。チャールズ・ブロンソンの魅力に通じる」

などとウンチクを語りながら購入した。皮は硬いがむきやすい。「むかせてなるものか」と意地の悪いオレンジとは違って性格はいい。味は、たぶんライチ系だったと思う。飢えていたら食うが、金を出して食べたいとは思わない味だ。もう、一生食べることはないだろう。見た目通りの味だった。

鮮魚コーナーは、魚の死体が目をむいているので、あまり得意ではない。誰か目を閉じてやれよ、といつも思う。だから、たいてい素通りする。

そもそも骨から身を外すのが面倒なので、あまり魚は食べない。ブリの照焼だから骨はなかろうと身を口に入れた途端、端っこに隠れていたでかい骨が喉をつき、「おえっ」と嘔吐反射を起こすことがある。非常に危険な食べ物だ。 

もっと怖いのが肉売り場である。これは、もう見た目に怖い。さらに生い立ちが怖い。

ズラ~ッとパックに入った肉が並んでいるのだ。こうした肉は、考えてみれば、ついこの間まで「モーモー」やら「ブーブー」やら「ニャーニャー」などと鳴いていた生き物だったのだ。 私のような想像力豊かな人間は、つい、そこまで考えてしまうのである。

これだけの肉、いったい何頭の牛や豚が犠牲になっているのか。すべての命が尊いとは考えていないが、人が食うために多くの動物の命が失われていると考えると少し怖くなるのである。

ブラジルの映画だったと思うが、首を切断されたニワトリが声も上げずに逃げ惑うシーンが蘇る。あれは怖かった。落ちた頭が悲鳴を上げていたのだろうか。カーネル・サンダースさんは、とてつもない虐殺者なのだ。何匹のニワトリの首を切り落としたのだろう。

見ている内に、ニワトリの肉がパックから躍り出て、声なき悲鳴を上げながら店の中を走り回るような気がしてくるのである。スーパーは、スリルとサスペンスに満ちた異空間なのだ。つまり、スーパーマーケットファンタジーだ。

ちなみに、ミスチルの「SUPERMARKET FANTASY」は持っている。ありふれた言葉であるスーパーマーケットとファンタジーの組み合わせは、なかなか秀逸だ。二つの言葉が合わさって、新しいイメージを生み出している。

例えば、うんことちんちんを組み合わせた「うんこちんちん」に通じるものがある。さすがはミスチル桜井和寿、ただ者ではない。

 

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