だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

女の子のお漏らしシーンはあるがエロではない。恐怖のリフト置いてけぼり映画「フローズン」

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波乗り的なものは嫌いである。

サーフィンはやったことないし、スキーやスノボも未経験だ。やれば面白いのだろうが、ピクリともやる気が動いたことはない。

おそらく波に乗るために沖まで出るのが面倒くさそうだからだろう。しかもチューブのできるような豪快な波ならいいが、テレビなどで見ていると、しょぼい波にチョコっとだけ乗っていることが多い。すぐに乗り終わって、またイソイソと沖へ向かう。つい「ご苦労様です」と言ってしまいたくなるのだ。

スキーやスノボに至っては、リフトを使って毎回上まで登らなければならない。スベり終えると、またリフトに乗って上まで登る。その繰り返しである。私は、ゲームをしていても繰り返す作業は嫌いで、「何回同じことをやらせるんじゃー!」とすぐに癇癪を起こすのだ。

で、唐突だが、ここから映画の話である。

「フローズン」という映画で、私の嫌いなスキーの話だ。調子こいた若い男女が痛い目にあうストーリーである。いやあ、いいですなあ。おまけに女の子のお漏らしシーンもある。私はそんなのを喜ぶ趣味はないが、お好きな方は必見だ。

簡単にストーリーを紹介すると、スキー場にやってきた男女三人組が、リフトに乗っていることを係員に忘れられて取り残されるという話だ。三人は、高いリフトの椅子の上で宙吊り状態である。ちょうど休みに入る前日で、営業が再開されるのは一週間後。そのままでは凍死間違いなしだ。

まず、一人目の男が馬鹿をやる。勇気を振り絞って飛び降りるのだ。

アホですな。スキーヤーたちに踏み固められたために、雪とは言え、地面とさほど変わらない硬さ(という設定)である。足の骨がグチャグチャで、筋肉を突き破っている。開放骨折というやつだ。もう、歩けません。

で、どうなるかと見ていたら、あなた、驚いたことに狼が出た。スキー場に狼がゾロゾロと出てくるのはちょっとおかしいと思うのだが、とにかく出た。出てしまったものは仕方がないのである。女の子が上から手袋を投げたりして追い払おうとするのだが、もちろん狼の群れは平気である。あっという間に、男の子を食ってしまう。

自分の彼氏がすぐ下で狼に食われているわけで、女の子は半狂乱だ。

次の日の朝、目が覚めると女の子の手のひらがリフトの安全バーに張り付いてしまっていた。手袋をしてないのに、鉄のパイプを握りしめていたのだ。当然、皮膚の湿分が凍って鉄とくっつく。いやいやいや、そんなアホはおらんやろ。と思うのだが、握っていたのだから仕方がない。

女の子は、馬鹿と思われたくなかったのだろう。隣りで眠る男に気づかれないようにヴェ~などと小さく悲鳴を上げながら、手のひらを安全バーから引き剥がすのである。ベリベリベリッ。いやあ、痛そうだ。

注目のお漏らしは、確かその後だったと思う。その時も男は眠っていて、女の子は気づかれないように静かにお漏らしして、静かに涙を流すのだ。ここでブルブルッと身体を震わせて「あー、すっきりした」などと言わせるのはアウトである。静かに泣かせたのは素晴らしい演出である。

まあ、私は、女の子のオシッコもウンコも興味がないので「あのまま放っておくと大事なところが凍傷になるから、とりあえずパンツも脱いで下半身を露出するのが論理的帰結だな」などと思ったのだが、映画ではお漏らししたまま放置されていた。

このように色々突っ込みどころの多い映画なのだが、私は、意外なほど楽しめた。78点くらいつけてもいいのである。

ちなみに、この映画を見た人は、必ず「バッカじゃねーの。おれだったら、こうして脱出するけどな」と方法を考えたはずだ。そうした思考実験も、この手の映画の楽しみ方の一つである。

私も当然考えた。

まず、三人で裸になる。セックスをするためではない。リフトの上のセックスなどスリルがあって燃えるかもしれないが、今は、逃げることが先決なのだ。着ていた服をすべて結んでロープにするのである。股引やパンツやブラジャーまで入れれば、10メートルくらいは軽く稼げるのではないか。そうすれば、少なくとも両足骨折などという惨事にはならなかったはずだ。

ちなみに三人ともロープを伝って降りてしまうと、服が回収できず、厳寒の中、凍死してしまうことになる。一人は残って結び目をほどき、服を回収するのである。

足が骨折することなく、さらに男二人が降りれば、例え狼が狙ってきたとしても何とか対処できるのではないか。二人が助けを呼びに山を降り、電源を入れて女の子の乗ったリフトを麓まで回収。三人とも助かってめでたしめでたしである。

まあ、そんな映画、まるで面白くない。

やはり、飛び降りて足が骨折するのは映画的必然だったのだ。当然、狼が出たのも必然である。素手で鉄パイプを握りしめてくっついてしまうのも、女の子がリフトに座ったままオシッコを漏らすのも映画的必然である。

あなたも、細かいことは気にしないほうがいい。その方が映画は楽しいのだ。