だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

【その歌詞はおかしいでしょうが!シリーズ】トナカイの真っ赤な鼻では夜道は照らせない。

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脳天気な歌は嫌いである。

例えば、「モーニング娘。」という志の低いグループがあって、その中でも「LOVEマシーン」という歌は特に志が低かった。「♫日本の未来はウォウウォウウォウウォウ」などという能天気かつ乱暴な歌詞が街中に流れ、私もつい低い声で口ずさんでしまい悔しい思いをしたものだ。

とりあえずモーニング娘。は、「なんちゃって恋愛」と「時空を超え 宇宙を超え」があればいいのだ。ちなみに「時空」は「とき」、「宇宙」は「そら」と読むのだ。間違えてはいけない。

横道にそれた。

さて、この季節になるとショッピングモールでは、必ず、あの脳天気な歌が流れている。私が特に嫌う歌である。あなたもよくご存知だろう。

「♫真っ赤なお鼻のトナカイさんは~」という歌だ。店内で流れているのはメロディだけなのだが、つい頭のなかで歌ってしまうのである。「♫暗い夜道ではピカピカのお前の鼻が役に立つのさ~」

何を言っているのか!? いい加減なことを言うな、と腹立たしい。

私は、嫌いな歌を、頭のなかとは言え、つい歌ってしまったことに怒りを覚える。そして、その非論理的な歌詞に対して苛立ちを押さえきれない。

いくら鼻が赤くなっても、それ自体が発光しているわけではないのだ。トナカイの鼻では、夜道は明るくならないのである。

おそらく「赤鼻赤鼻」と笑われているトナカイを慰めようと、サンタクロースが嘘をついたのだろう。だが、それは罪ある嘘だ。真実にトナカイが気付いたとき、トナカイはさらなる絶望へと落ちていくのである。

私には、冷たい川に身を投げるトナカイがはっきりと見える。

そもそもトナカイの赤い鼻が役に立つなら、アルコール依存症のオッサンの赤い鼻も役に立つはずである。街灯のない夜道に、アルコール依存症のオッサンを100人ほど立たせておけば、それで街灯代わりに使えるということになる。そんな馬鹿な話はないのだ。

いや、もっといいアイデアがある。

ハゲのオッサンを使えばいいのだ。ハゲのピカピカは、赤鼻のピカピカよりもはるかにレベルが高い。「赤鼻のトナカイ」の歌が正しいのなら、ハゲのオッサンを100人夜道に並べておけば、真昼のように照らされるはずである。

だが、あなた。

真っ暗な部屋でハゲ頭だけが光っているのを見たことがあるか? 私はない。私もハゲなので、さっき試してみたのだが、まったく光っていなかった。ハゲ頭の内側に、光源は存在しない。ハゲは、別の光源があってはじめて光ることができるのである。ハゲは、月と同じなのだ。

従って、ハゲもしくはトナカイの赤い鼻を街灯代わりに使うためには、その上部に電球を吊るしておく必要がある。チョウチンアンコウと同じ構造だ。だが、そんなの意味ないのである。そんな格好をして夜道に立って、「これで安全にお歩きください」と言ったって、誰も感謝などしないのだ。馬鹿にされるだけである。

ああ、いやだいやだ。

私は、脳天気な歌は嫌いだが、脳天気な歌が流れるクリスマスはもっと嫌いだ。今年もそんな季節がやってきた。毎年毎年、まったく……。クリスマスなど4年に一度で十分だ。そうは思わんか?

 

ちなみにYouTubeの「赤鼻のトナカイ」を見ると、ピカピカどころではない。サーチライトみたいに光っているのである。しかも、サンタクロースの鼻も赤いのである。お前の鼻も役立たせろよ、と思う。


赤鼻のトナカイ