だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

たった今、「一太郎2018」が届きました!

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一太郎2018が届いた。

ご存じない方のために説明しておくと、一太郎とはパソコン黎明期に生まれ、「一太郎にあらずんば日本人にあらず」とブイブイ言わせていた日本語ワープロである。日本語変換ソフトATOKも同梱されている。

今はもう、マイクロソフト帝国のWordに押されて見る影もない。棺桶に両足を突っ込んで、首を棺桶の端っこに引っかけて、「落ちるものか死ぬものか」と必死になって現世にしがみついている状態だ。哀れである。

この間も農水省が「一太郎みたいな汎用性に欠けるソフトはやめて、Wordに統一せよ」とお達しを出した。まあ、それが時代の流れだ。仕方がないね。

私は、日本語ワープロやエディタなどのアプリをいじるのが趣味だから、汎用性とかは関係ない。ジャストシステムに言われるままに、もう何十年もバージョンアップを続けてきたのだ。今回も一太郎2018プレミアムバージョンのUSB仕様を予約注文していたのである。

で、早速インストールして、今、新しい一太郎と新しい日本語変換ソフトATOKで書いているのだが、いやあ、どこが変わったのかさっぱりわからない。

カタログを見てみると、例えば出力が多彩になったことを一番の売りにしているのだが、私は、出力しない人間なので意味がないのである。文章を書いて、それをテキストデータでメールするだけの面白みのない男である。

また、広辞苑の第七版が搭載されているのはいいのだが、執筆中にはさほど役には立たない。執筆中は、類語辞典の方が役に立つ。

ATOKも賢くなっているとアピールしていて、例えば、「面積を求める」と打とうとして「めんきせをともめる」と誤入力しても、入力ミスを自動修復し、きちんと「面積を求める」と変換してくれるのだそうだ。

だが、ついさっき「執筆中」と書こうとして「ひっぴつちゅう」と誤入力したら、「ひっぴつちゅう」のままなのだ。何が「より磨きをかけたATOKディープコアエンジン」だ。全然ディープではない。チープの間違いではないか。

そもそも「めんきせをともめる」などと誤入力するアホはいないだろう。この自動修復機能は、かなり恣意的な機能と思われる。ご注意いただきたい。

唯一使える新機能は、エディタ画面での行間を「やや広い」「広い」に変更できるようになったことなのだが、これなど最初から付いていて当たり前の機能である。しかも、自由に広さを調整できないというのが悲しい。他のエディタなら普通にできる機能である。

全画面表示も相変わらず単にアイコンやルーラー部分が消えるだけの情けない全画面表示だ。用紙だけを表示する本来の全画面表示とはまったく違う。なぜ、こんな簡単な仕組みが取り入れられないのかと不思議で仕方がない。

結局、一太郎2018は使わず、長文はScrivener、短文はO'sEditorかMery、そして日本語変換はGoogleを使うことになりそうだ。そして、たまに一太郎を起動して、「ああ、若い頃使っていたのが懐かしいなあ」などと呆けるのである。16,000円くらいしたのだが、ちょっともったいなかった。

まあ、一太郎のターゲットに私が合わないだけで、同人誌を印刷したり、小説サイトに投稿して小説家気分を楽しみたい人には最適の日本語ワープロだろう。そんな人には、おすすめである。

予約注文をしていたので、特典としてブランケットが付いていた。つまらんものを、と思ったのだが、使ってみると意外と温かい。ブランケットというモノが、こんなに効果的とは思わなかった。これが今回のバージョンアップでの一番のヒットかもしれない。

ブランケット絡みで言うと、ジャストシステムの販売サイトがまた情けない。「健康失禁パンツ」やら「岩鋳 南部鉄器貯金箱 1/7スケール郵便差出箱一号(丸型)」など訳のわからないラインナップである。

このあたりを見ていると、「ああ、もうかつてのジャストシステムではないんだな」とちょっと悲しくなるのだが、まあ、泣くほど悲しいわけではない。ちょっと感傷に浸るだけのことである。

ちなみに、「岩鋳 南部鉄器貯金箱 1/7スケール郵便差出箱一号(丸型)」は、ずっしりと重い旧型ポストのミニチュアなのだ。価格は、10,800円。実は、ちょっと欲しいのである。

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