だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

セクハラ許可証を持つ男

 

おや、なつかしい。

そう思ったのは、近所の川縁を散歩している時のことだった。幼稚園児くらいの男の子が、母親と歩きながら歌っていたのだ。

♪おさんぽおさんぽうれしいな~

今の子供でも、この歌を知っているのかと若干の驚きと郷愁を感じつつ、私は「だがな」とほくそ笑んだ。実は、この歌詞は「おさんぽ」ではなく「お弁当」が正しく、そして「おさんぽ」と間違えることで、驚くべき秘密が誕生したのだよ。

おさんぽの「さ」の字を「ち」に代えて見たまえ。なんと、かわいらしい歌のはずが「おチンポおチンポうれしいな~」という、実にイヤらしい歌に変化してしまうではないか。一字違いで大違いである。子供の頃にその発見をして以来、私は、この歌を聞くたびに「ふふふ」と笑みを浮かべるのである。

で、まあ、いずれはこんな文章も「セクハラだ」などと非難される時代が来るのだろう。

山口メンバーという名前の人が、セクハラで報道されているのを見ると、その時代はもうそこまでやってきていると思えるのである。女子高生にキスをしただけで、芸能活動を無期限停止なのだ。

この山口メンバーという人は、ジャニーズとかいう組織の人であり、さすがの私もジャニーズくらいは知っている。アイドルの総合商社である。山口メンバーの写真を見ると、オッサンとは言えイケメンだ。

これほどのイケメンで、現役の有名人。女子高生ならキスを迫られても「あら、素敵」となると思いきや、母親に連絡した後警察に訴えたのだ。不起訴処分になったとは言え、強制わいせつで書類送検されたという事実は非常に重い。

以前は、不細工がやればセクハラだが、イケメンがやればロマンスであると考えていたのだが、この一件は例外であるようだ。

考えるに、この山口メンバーという人は、デリカシーに欠ける人なのではないか。もし、酒など勧めず、自分ももちろん飲まず、女にがっついた様子も見せず、ロマンチックな雰囲気を作り出していたなら、例えキスをしても許された可能性はあるように思える。

それを高校生に酒を勧めるという非常識な行動をとり、さらに無理矢理キスをしたために、きっと彼女は驚いたのだ。恐怖にかられたのだ。完全な作戦ミスである。そもそも未成年者を自宅に招くというのは、いくらなんでもうかつである。よほど女好きなのだろう。

これまで何度も似たようなことをやってきたはずだ。イケメンで有名人で金もある自分には許されると思っていたに違いない。セクハラ許可証を持つ特権階級なのだ。

記者会見では涙を流していたが、わりとすぐに忘れるタイプの人ではないか。芸能界に復帰すれば、いずれまたやりそうな気がする。

ちなみに「キンポウゲ」という植物がある。双子葉植物キンポウゲ目に属する植物なのだが、有毒で有名なトリカブトも同じ科目である。

そのキンポウゲの最初の「キ」を「チ」に代えると、チンポウゲとなる。一字違いで大違いだ。そもそもキンポウゲというネーミングそのものが、最後が「ゲ」という点でも陰毛を思わせて下品である。

極めてセクハラな植物と言ってもいいだろう。その繊細で可憐な花が、私は大好きだ。