だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

思い込みでツイートすることの恥ずかしさ。例えばNYの会議通訳者さんの場合。

恥の多い人生を送ってきた。

小学1年の時に学校でウンコを漏らしたことにはじまり、田んぼを走り回って肥だめに落ちたり、大人になってからもデートの途中で犬のウンコを踏みつけたこともある。

恥の多い、と言うよりもウンコまみれの人生と言っても過言ではない。おならのつもりで出したらウンコだったという経験は数知れず、いずれ寝ている途中で盛大に漏らしてしまうのだろう。ああ、歳はとりたくない。

さて、そうした昔ながらの恥とは違い、今のネット社会では「思い込みによる恥」というものに遭遇する危険があちらこちらに転がっている。それこそパリの街に転がる犬のウンコほど転がっているのだ。

「NYの会議通訳者が教える英語」という人が、こんな一文をツイートした。

>>最近、政権に近い男性の強姦もみ消し事件が世界的な話題になった「女性が輝く国」が、今度は女性外相が集まる会議になぜか男を送ったらしい。一体なんでこういうことをわざわざやるのか全く理解できない。やっぱり変な国。これが変じゃないと思う人は愛国者ではなく変な人。

で、女性外相に囲まれる河野外相の写真が添えられている。

私もこのニュースは読んでいて、その写真を見て、「いやあ、こういう状況はさぞや照れるでしょうなあ」と女性が苦手な私などは、河野外相に少し同情した。

普通の人はそれに近い感想を持つと思うのだが、「NYの会議通訳者が教える英語」さんは、普通の人ではなかったらしい。上記のツイートを発信してしまったのである。

いやいやいや。

女性外相が集まる会議に、日本国政府が「なぜか男を送った」というようなことがあるわけないでしょうが。いくらなんでも思い込みが過ぎる。勘違いにもほどがある。日本官僚は確かに優秀ではあるが融通が利かず、杓子定規な一面はあるものの、そこまでトンチンカンではない。

早速、河野外相がツイートした。

>>「なぜか男を送った」のではなく招待されたからですし、「なんでこういうことをわざわざやるのか」と言えば北朝鮮問題やミャンマー問題に関する日本の立場をきちんと説明して意見交換できるからです。これが変じゃないと思う人は普通の人。嘘ではなくともフェイクはありえる。

「NYの会議通訳者が教える英語」さんのツイートだけを読めば、これは明らかに日本国政府が間違えて河野外相を送り込んだと解釈できるわけで、河野外相がツイートしたとおりフェイクに違いない。

まあ、フェイクと書いたのは、これは河野外相の優しさであって、私なら「やーい、勘違いしよった。勘違いしよった。恥ずかしいのお。恥ずかしいのお。『これが変じゃないと思う人は愛国者ではなく変な人(どやっ)』やて。うひゃー、一生消えへん恥ずかしい記憶やなあ」などと悪態をつくはずである。

「NYの会議通訳者が教える英語」さんは、その後「河野さん自身がわざわざこれをフェイクニュースとしてRT しましたが、別に何も嘘は書いていません。ブロックしました」とツイートした。で、その後批判するコメントを即座にブロックしはじめ、当該のツイートも削除。当然、さらに炎上して、とうとうTwitterを非公開にしてしまった。

すぐに「ごめんなさい。勘違いしてました」とツイートすればここまで炎上しなかったと思うのだが、まあ、人間、自分の勘違いを素直に認めることは非常に難しい。

私も今後ウンコを漏らしたときは、「いやあ、犬のウンコの上に座ってしまった」などと言い訳はせず、「これは私のウンコです」と正直に言いたいものである。