だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

女子生徒を二人殺して懲役20年。出所後すぐに小学生の女の子のスカートを引っ張って怪我をさせて懲役8年の求刑。そんなもの、この男にとっては休憩でしかない。

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刑事ドラマを見ていて、たまにイラッとすることがある。

犯罪を犯して服役した人が、出所後身の回りで犯罪が起きたせいで疑いをかけられた。そして、こう言うのである。

「おれは、もう罪を償ったんだよっ」

いやいやいや、それは違う。それは、単に刑期を終えただけだ。犯罪に対する罰が終了しただけなのである。そもそも罪を償うなど不可能なのだ。特に殺人の場合は、償うことなどできるはずがないのである。テレビ局は、「刑期を終える=罪を償う」という馬鹿げたイメージ操作はやめていただきたい。

さて、平成4年に13歳の女子生徒を刺殺。さらに12歳の女子生徒をマンションから突き落として殺害し、20年以上の懲役刑に服した男がいる。その男が出所後5ヶ月で事件を起こした。小学生の女の子の後をつけ、スカートをめくるなどの行為をしたのである。幸い防犯ブザーを鳴らしたため男は逃げ出し、女の子は軽傷だったようだ。

この男の裁判で、検察はこう言っている。「高齢で体力が衰えた中、性的欲求を満たすため抵抗できない幼い女児を狙っている。似たような犯罪を繰り返す人には、より刑罰を重くしていくことが必要不可欠だ。懲役8年が妥当だ」

一方、弁護士はこう言っている。「今回の犯罪行為そのもので量刑は決められるべきだ。わいせつ行為をエスカレートさせるつもりはなく未遂に終わっている。再び犯罪を起こさないという意欲もある。懲役3年6か月が妥当だ」

いやいやいや、と私は呆れ返った。弁護士の量刑が少ないのは仕方がないのだが、検察の懲役8年はおかしいでしょうがっ。

もちろん法律上は、二人を殺したことに対する刑罰は終えており、弁護士の言う通り今回の犯罪のみでの量刑とすることが正しいのだろう。それでもあえて前の犯罪を考慮するなら、少なくとも懲役20年は言っておかないと意味がないのである。

もし、今回の被害者の女の子が防犯ブザーを持っていなかったら、さらに大きな被害を受けていたことは間違いない。仮にこの男が懲役8年になったとしても、おそらくまた出所後に同じような犯罪を繰り返すだろう。

アメリカでは三振法という法律があり、前科が2回ある者が3度目の有罪判決を受けると、その罪の種類にかかわらず終身刑なのだという。日本にも取り入れていただきたい法律だ。

ちなみに、この犯人、私の知る限り顔が出ていない。すでに「罪を償った」過去の事件が絡んでいるせいだろうか。いや、それでも普通は出るだろう。このネット時代に珍しいことだ。

服役者の中には、多くの知的障害者がいると聞くが、もしかするとそのせいでマスメディアが配慮しているのか。それとも放送禁止用語的なものが、顔の真ん中についているとか……。まさかな。

この男は「被害者の子どもが今もカウンセリングを受けていると知り、自分のしたことの責任の重大さを感じました。すみませんでした」と言っているらしいが、かつて二人の女の子を殺しておいてこれである。実にむなしい。