だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

人生に必要なものは、金と希望と敵である。あるいは、暗黒面に落ちかけた「まんぷくラーメン」の萬平さんについてのお話。

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私は、見た目は100歳、頭脳は27歳の年寄りなのだが、ずいぶんと最近枯れてきた。

電車の中で足を踏まれても「ええがなええがな」と笑い、通りすがりの子供に「ハゲ」とそしられても「ええがなええがな」と頭をなでる。昔なら、「お前もハゲにしてやろうか」と髪の毛をむしっているところだ。

仕事に対する姿勢も変化していて、すぐに手を抜く外部スタッフに対して「それでもあなたはクリエーターですかあ」と頬をプルプルさせることもなくなった。

で、実は私、現在ちょっとしたトラブルに巻き込まれている。本来私は、トラブルを引き起こす方だったのだが、今回はもらい事故のようなものだ。相手は、ショッカーや秘密結社鷹の爪ではなく、ただの一般企業である。

まあ、トラブルというほどのものではないのだが、それでも多少の損害は出そうで、念のためにその過程を資料として作ってみたのだ。テレビ局に企画を持ち込むかも知れないし、訴訟ということになれば弁護士に説明する必要もある。

そしたら、あなた。

結構、ワクワクして楽しいのだ。仕事の企画書づくりに関しては、最近は「面倒くさいなあ。いや、これはウンコ臭いと言っても過言ではない」などとチンタラ仕事を進めていたのだが、今回の資料作りは「こうした方がわかりやすいな」「ここは、見せ方を工夫しよう」などと極めて前向きなのである。

そして私は、つくづく思ったのだ。人生には、敵という存在も必要なのだな、と。

例えば、明確な目標を持つ立派な人は、そうした敵は必要ないだろう。例えば将棋の藤井聡太さんや大リーガーの大谷翔平さんとかだ。だが、私のような中途半端な凡人は、敵という存在は、自らを動かすための原動力として必要なのである。

注意すべきは、敵に対する憎しみという感情にとらわれてしまうことで、これは極めて危険である。

朝ドラ「まんぷく」に出てくる萬平さんだって、まんぷくラーメンのパクリ商品が出た際、相手の社長に対して憎しみの感情にとらわれ、危うく暗黒面に落ちるところだった。ダースベーダのような黒い仮面をかぶった萬平さんなど見たくないのだ。スーハースーハーと隠微に呼吸する萬平さんなど、想像すらしたくないのである。

まあ、面白そうなのでちょっと想像してみたのだが。

できれば、藤井聡太さんのようにひたすら一つの道に打ち込むようなピュアな人生を送りたかったのだが、私には、そんな道はなかった。才能がなかったのかも知れないし、そこに至るまでの努力を続ける意思の力もなかった。

目下の敵がショッカーのような組織ではなく、つまらない企業であることが不満であるが、まあ、多少の活力を与えてくれたことには感謝したい。

ちなみに、ピュアに思える藤井聡太さんであるが、意外と暗黒面を持っていて、夜な夜なスーハースーハーと隠微な呼吸をしている可能性は、ほぼゼロに近いと思われる。皆さんも決して想像しないように。

 

※私に起こったトラブルであるが、弁護士向けの資料とテレビ局向けの提案書、YouTube用のシナリオなどを作ったにも関わらず、無用になってしまった。先方から謝罪と対策案が出されてきたのだ。すでに弁護士の選定も終え、結構張り切っていたのにちょっとガッカリである。ちなみに「あとは顧問弁護士を通してくれ」などとドラマの主人公が言ったりするが、あれ、顧問料は月に3万円程度である。最近は、1万円という事務所もあるらしい。自営業の人は、お守り代わりに契約しておくのもいいと思う。