だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

なぜ、私の頻尿は3日で治ったのか。あるいは、尿管結石との闘い。

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諸君、君たちは、尿管結石の痛さを知っているかね?

私は、知っている。私は、尿管結石経験者だ。しかも、3回である。言わば、Three Times Championである。アーネスト・ホーストに匹敵する快挙と言っても過言ではない。

説明すると、 カルシウムやシュウ酸という成分が原因で石が生まれ、それが尿管を通る時に激痛が走るという症状である。

私の場合は、背中あたりに鈍痛が発生したのがはじまりである。その後、次第に痛みが腹の方に移動し、「こ、この腹痛は何だ。下痢ピーか!? いや、違うな。下痢ピーのようで下痢ピーでない、便々」などと混乱していたのだが、あまりの痛さに病院に駆け込んだ。死ぬかと思ったのである。

もちろん私は、ハードボイルドとはやせ我慢のことであると熟知している男だったから、爺さん婆さんでごった返す待合室でも、平気な顔をしていた。だが、本当は転げ回りたいくらい痛かったのである。聞くところによると、痛みのあまり嘔吐するケースもあるらしい。

症状を説明すると、医者はこともなげに言った。

「ああ、尿管結石ですね。石が流れやすいように、点滴打っときましょうか」

どうやら死ぬような病気ではないらしい。少し安心したのだが、悶絶するような痛みはそれから30分ほども続いたのである。

次の日の朝、痛みはなくなっていたものの、どうも私の15.5センチ砲に違和感がある。

見てみると、なんと尿道の先端に小さな石らしきものがくっついていた。コンペイトウのトゲトゲをもっと凶悪にしたような石である。小さい。ちょっと大きめの砂粒程度の大きさだ。このトゲトゲが尿管を傷つけて激痛を起こしていたのだろう。ちなみに石が小さいほど流れるスピードが大きく、痛みもひどくなる。

二回目の結石は、尿と共に飛び出た。カランという音とともに小便器に転がった石は、そこそこ大きいがトゲトゲは小さかった。大きい分、尿道を流れるスピードが遅く、痛みもマシだった。とは言ってもひどい痛みには違いなく、私は「脂汗」というものを初体験したのである。

三回目は、かなり大きな石で、なんと尿道の途中で止まってしまった。私の17.8センチ砲の裏側にポコッと出っ張りができたのである。当然、排尿もチョロチョロである。

病院に駆け込むと、「あら、これは大変ね。うーん、お口で吸い出すしかないかしら」などと妙齢の女医が私の19.8センチ砲を熱いまなざしで見つめながら(以下870文字削除)。

さて、それ以来私は、「とにかく石をできなくするんじゃー」と水分を取るようになった。特にコーヒーである。コーヒーには利尿効果があり、飲めば飲むほどオシッコが出るのだ。

で、私は、一日に10杯以上コーヒーを飲むようになったのだが、それと同時に一晩に三回はトイレに起きるようになった。これはこれでツライのである。

睡眠が浅いせいか、昼間も眠い。ただでさえ少ない集中力が減ってしまい、仕事に支障が出るのである。

さすがにこれは本末転倒。結石を怖れすぎではないかと思うようになった。痛みの記憶が薄れてきたこともあるだろう。つまり、喉元過ぎれば熱さを忘れる。病治りて医師忘れる。The danger past and God forgotten(危険が過ぎると神は忘れ去られる)という訳だ。

結石、どんとこいっ。などと心に言い聞かせ、コーヒーを一日二杯に制限した。すると、夜にトイレは一度も起きず、さらに体重が3日で2キロ減ったのである。どうも最近体重が減らないと思っていたのだが、コーヒー太りだったのだ。

しばらくは、コーヒーはやめにしようと思う。ちなみにコーヒーには、結石を作るシュウ酸という成分が多く含まれているんだそうだ。コーヒーの飲み過ぎは、結石を作る原因となるのである。

つまり、私が一晩に三回も四回もトイレに起きたことは、ほとんど無意味だったのだ。ガーン、としか言いようがない。