だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

吉本興業を「笑えない企業」にしてしまった大罪。

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吉本興業の岡本社長の会見を見ていて思った。

あれほど芸人のそばに長くいる人でも、芸人の話術やノリや空気を身につけることはできないんだな、と。会見での岡本社長は、単なる一般人でしかなかったのである。いや、一般人以下だった。地底人レベルである。

もちろんああいう会見で、例えば大麻所持で捕まった勝新太郎のように「気がついたら大麻がパンツの中に入っていた。今後は同様の事件を起こさないようにパンツをはかないことにする」などと冗談を飛ばすなど無理なのだが、それにしても天下の吉本興業の社長なんだから、もう少し「ほお、さすがだな」と思える部分が欲しかったのである。

社長のくせに泣き出すわ、自分の暴言を嘘をついて言い訳するわ、すぐに弁護士を頼るわ、もう、情けないとしか言いようがなかった。これから先、吉本の芸人を見るたびに岡本社長の泣き顔を思い出してしまうのである。笑えるかいっ。

なにより、吉本興業を「笑えない企業」にしてしまったという大罪を犯しながら、「1年間給料半分にするから許してちょ」である。アホか。「全額カットを3年間続けます。そして、私は、まず、吉本の劇場の掃除から仕事をやり直させてもらいます」とまで言い切ったら、まだ、救いがあるのだが、1年間半額というのは、これはもう救いようがない。せめて、毎日「一年間50%減俸」のタスキを掛けて仕事をやれと言いたい。

で、普段私はあまりテレビを見ないせいもあって、つい、「テレビ芸人」などとテレビで活躍するタレントを蔑視していたのだが、今回の件で、「ああ、やっぱり芸人というのは、それなりにすごいものだな」と思い直した。

雨上がりの宮迫は、ネットでもさほど評価は高くないのだが、ロンドンブーツの亮は、私でも見ていて心を打たれるものがあった。岡本社長の涙と、彼の涙は、天と地ほどの差があったのである。

残念ながら若手の反応はどれも表情が硬く、コメントもまともすぎてつまらなかったのだが、さすがに大御所となると真面目に語りながら、きちんとギャグを飛ばしてそれまでの重い空気を変えるという、極めて高度な話術だった。

考えてみれば私がバカにしている吉本芸人が集まってだべっているだけの番組にしても、例えば私があの場に行って何か面白いことを言えるかと言えば、絶対に言えないのだ。

いや、私の場合はコンビニの店員になって「いらっしゃいませ」と言うことすらまともにできないと思う。客が「ああ、気持ちのいい店だな」と思えるような「いらっしゃいませ」は、おそらく3年の修行が必要だと思う。

まあ、だからと言って若手芸人たちの雑談系の番組など、これからも見ることはないのだが。私が見る吉本芸人が出る番組は、「ごぶごぶ」のみである。

さて、岡本社長の今後である。

ああいう会見では、自らに科す罰則は「え、そこまでやるんか」と思わせなければ負けである。1年間50%の減俸となると、必ず「いやいや、元の年収はいくらやねん」と突っ込まれるのだ。「なぜ、辞任しないのか」という声も多いようだし、このまますんなり終わるとも思えない。

嘘でもいいから「3年間無給&無休」くらいは言っておくべきだったと思う。