幕末には、詳しくない。
というか、歴史はさっぱりである。特に日本史は嫌いだ。なんとなく陰惨でかび臭い。さらに、むかしの人間の名前が覚えにくい。しかも藤原なら藤原で何人も出てくる。いいかげんにしろと言いたい。
世界史は華やかな感じでまだマシなのだが、やはり名前が覚えにくい。「世界史も同じか」と絶望し、アウストラロピテクス原人まで覚えて、それ以降は歴史を学ぶのをやめた。
ただ、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」は読んでいて、あと小山ゆうの「AZUMI」は読んだ。小山ゆうのは漫画であり、あずみというやたら剣術の強い女の子が、幕府を倒すための手伝いをするという話だ。面白かった。
だから、多少はその時代に興味はある。
幕末とそれ以前の時代との違いは、写真があるかないかの違いだ。これは大きい。徳川家康など肖像画だけのイメージである。それに比べて、坂本龍馬や勝海舟などは写真が残り、具体的に思い浮かべることができる。
意外なのが、結構イケメンが多いことだ。
意外と思ってしまうのは、これは、現代人のおごりである。昔の人だから、自分たちよりは劣るのではないかという偏見があるのだ。おそらく武士や学者はもちろん、江戸庶民の知的レベルでさえ、今のバラエティ番組を毎日見て呆けたように笑っている現代人よりかは高いはずだ。
勝てるのは、せいぜい身長と寿命くらいだろう。
さて、私が考える江戸時代のイケメンベスト5である。
第5位 勝海舟
あまりイケメンとしては出てこないのだが、私はこの手の顔が好きである。知的で華奢な雰囲気。これでべらんめえ口調で上役にもズケズケ言っていたらしい。頭が良すぎて、回りが馬鹿に見えたのだろうか。そこそこ出世できたのは、幕末という時代のおかげだろう。
第4位 渋沢平九郎
これは、イケメンというよりも男前といったほうが適切だ。まるで役者である。幕府側につき、戦いに敗れて22歳で自害した。私の知っているY君に似ているのだが、ちょっと苦手なタイプである。そばにいると暑苦しい。
第3位 奥平昌邁
中津藩奥平家13代。現代風で、なかなか優しそうなイケメンである。頭も良かったようで、世襲的な人材登用を打破するなど明治維新を推進した一人のようだ。米国に留学したのだが、その時にかかった病がもとで明治17年に30歳の若さで病死した。なんの病気なのかの記述はなかったが、ちょっと興味深い。
第2位 織田信福
高知県で最初の歯科医。有名なイケメンだから、知っている人も多いだろう。2016年には、高知市立自由民権記念館で、同じ高知県出身の板垣退助とともに写真を使ったクリアファイルを売り出したのだが、板垣退助の2倍売れたのだそうだ。知名度よりも顔であり、板垣退助はさぞ悔しかったろう。
第1位 土方歳三
やはり一位は、この人である。 新撰組副長。この顔で剣技に優れ、しかも頭も良かった。羨ましい限りだ。最後は、函館五稜郭の防衛戦で銃弾を受けて死亡。いい死に方であり、享年35というのも死ぬのにちょうどいい年齢である。ちなみに当然女性にはもてもてで、恋文が山ほど届いていたのだそうだ。
幕末も現代もやはり顔である。