私は、セコい。
今日も缶コーヒーを飲もうと、少し回り道をして50円の自販機でコーヒーを購入した。他の自販機と変わらない品揃えで、別に期限切れ間近というものでもない。そもそもその場で飲み干すのだから、賞味期限などは関係ない。
なぜ安いのか知らないが、ありがたいことである。
もちろん、これは自分ひとりの場合だ。
連れがいるような場合は、「うん。50円の自販機が近くにあるから、そっち行こう」などと言ったりはしない。120円の自販機でも平気なふりをしておごるのだ。「なんだったら、こちらの140円のにするかね」などと見栄をはったりもする。
セコいのは、馬鹿にされるのである。
芸能人でも一番嫌われるのは、こうしたセコさなのではないか。例えば、生活保護費を不正受給していた次長課長の河本氏やキングコングの梶原氏である。
それほどの悪事ではなく、誰かを殺したわけでもないのだが、猛烈なバッシングを受けた。いまだに仕事に影響を与えているようで、ネットで非難する人も多い。さほど大した額ではないのに、大打撃を受けてしまった。
セコいのは、ダメなのだ。
ああ、それなのに。今度は、グッチ裕三氏がやってしまった。
自分がオーナーのメンチカツ屋を、オーナーであることを隠したまま、番組内で「おいしい」「レベルが違う」「運が向いてきそうでしょ」などと宣伝していたのだ。そのおかげもあってか、随分と人気が出ていたのだそうだ。
だが、これは、明らかにセコい。
だましという点では、生活保護費の不正受給と同じである。もちろん法的には問題がないのだろうが、非常に格好が悪く、人間性を疑われる。バレた時に、どんな顔をすればいいのかわからないのである。
今時、記事体広告も「これは広告です」と表記しないと違反なわけで、さらに影響の大きなテレビ番組でこういう詐欺まがいの言動をしてしまうのはまずいだろう。
しかも、この話にはオチがない。いくら弁明しても笑いにつながらない。テレビ芸人としては、致命的ではないか。