牛乳石鹸のCMやポスターが炎上している(らしい)。
「ただただ不快な気分になる」
「本当に意味不明だった」
「今まで牛乳石鹸使っていたけれど、もう買わないわ」
そこまで言われていると、逆に興味を惹かれてさっそく視聴したのである。公式ウェブサイト上で、牛乳石鹸は「父と子の絆。とある男のなんでもない1日の物語」「がんばるお父さんたちを応援するムービーです」と説明している。
面倒だが、ざっくりとストーリーを紹介しよう。
主役はお父さん。その日は息子の誕生日で、奥さんから「プレゼントとケーキ買ってきて」と頼まれる。だが、後輩が仕事のミスで叱られ、それを慰めるために飲みに誘ってしまう。奥さんからの着信も無視。帰ってから奥さんに責められるが、それも無視して風呂に入り、牛乳石鹸で顔を洗う。気分すっきり。風呂から上がって「さっきはごめん」と謝ると、奥さんは息子を呼び、少し遅めのお誕生日会がはじまる。「さ、洗い流そ」とキャッチコピーが現れてCM終了。
自分の父親が亭主関白であったことと、今の現代風の甘い父親である自分を比べ「これでいいのか」という葛藤を描いており、そんな悩みやモヤモヤも「牛乳石鹸で洗い流そ」と伝えるCMである。
で、その感想。
感想その① 長すぎる。2分43秒である。ネットでの公開CMだから時間無制限なのだが、この内容なら1分で十分。描き方が冗長で、見ている人をイライラさせる。
感想その② お父さんの表情が暗すぎる。覇気がない。そういう演出なのだろうが、息子の誕生日に対しても、叱責される部下に対しても、第三者的なスタンスの人というイメージ。飲みに誘う事自体に違和感を感じる。
感想その③ コンセプトとストーリーがミスマッチ。「さ、洗い流そ」という軽いイメージに、この父親の葛藤は重すぎる。もっと軽いストーリーでコミカルな演出がいい。
非難されているポスターについても同じある。
女性(キャリアウーマン風)がニッコリ笑っている写真に、「今日も若手社員を泣かせてしまって。自責の念でいっぱいです」というキャッチフレーズ。そして、その下に大きく「さ、洗い流そ」とキャンペーンフレーズが入る。
このポスターは、確かにひどい。コンセプトとストーリーのミスマッチが、より強調されている。パワハラを「すっきり洗い流そう」と言っているわけで、バッシングを受けても仕方がない出来だ。
このシチュエーションなら、「今日も仕事でミスして怒られた。これで3日連続。さすがにヤバイ」と部下の立場で書かないとダメである。他人のミスを語るのではなく、自分のミスを笑うという姿勢が広告には必要なのだ。
というわけなのだが、お分かりいただけただろうか。
なに、記事が長すぎる? もっと短くまとめろ? 今まで読んでたけど、もう読まない?
失敬なやつだな。よ~しわかった。次からは、3行以上は書かないから、そのつもりでいたまえ。もっと長く書いてくれと頼まれても、3行でまとめてやるのだ。まあ、泣いて頼めば、5行くらいは書いてもいいが、しかしだな(以下略)