24時間テレビ「愛は地球を救う」のマラソンランナーが当日発表なのだそうだ。
なぜ、そんなことがニュースになるのかが理解できない。私は24時間テレビは一度も見たことがなく、愛とか地球とかという言葉は嫌いであり、テレビ芸人にも興味がない。こんな志の低い番組は、すぐに終わるに違いないと思っていた。
だが、終わらない。なぜなんだ!?
私の回りでは「加計学園問題? アホか」という人が多かったのだが、同様に「24時間テレビ? どアホか」という人が多いのだ。24時間テレビなど見たことがないという人も結構いる。家族も見ないし知人も見ない。
一体、誰が見ているのだ?
私は、たまたま24時間テレビが映ると、なにか汚いものでも見たかのような悪寒に襲われてすぐにチャンネルを変える。「偽善」に対する嫌悪かというと、ちょっと違う。私は、偽善を完全否定するものではない。
では、なにか?
例えば、この前ニュースで見たのだが、トランプ大統領の人種差別的な言動に反対したオバマ元大統領のツイートが話題になっていた。「黒人や金髪など4人の幼児が並ぶ窓をオバマ元大統領が見上げている写真」に対して、Twitter史上最多の「いいね!」が付けられたのだ。
私は、そのことに24時間テレビと同様の気持ち悪さを感じた。
そうだ、気持ち悪いのだ。彼らの反応が不気味なのだ。
こんな作り物めいた写真を見て、そんなに多くの人が「いいね!」と思うことに驚愕し、自分と世間との乖離に愕然とし、こりゃ大変だと思いながら、とりあえずオシッコをしにトイレに入ったのだ。
加計学園問題を連日取り上げていたテレビに釘付けになって安倍政権の支持率を下げ、トランプ大統領の言動に怒りの声を上げてオバマ元大統領のツイートに「いいね!」を付ける。世の中には、そんな訳の分からない人が大勢いるのだ。いや、むしろ、そういう人たちの方が多数派なのである。
だから、24時間テレビは終わらないのだ。それなりの視聴率を稼ぐのだ。10年後、私は「なんだ、まだ24時間テレビをやってるのか」と舌打ちしながらチャンネルを変えているような気がする。
勝負は、私の負けなのだ。
ちなみに私は、マラソンランナーが清原和博さんなら見てもいいかな思う。堕ちてしまった彼には走る意味があるし、例え途中でヘトヘトになって倒れたとしても、「ほらね、覚せい剤やるとこんなになるんですよ」という警告にもなる。
まあ、ないと思うけど。