職業による差別はいけない。
とは言え、小学校の教諭が児童にワイセツな行為をして捕まったら、「やっぱりね。教師だからね」と誰もが思ってしまう。
FBIなどには、「児童性愛者は教諭になる可能性が高い」というデータもあるようだが、だからと言って教師を見てロリコンと断じるのは職業差別である。そうではない人のほうが圧倒的に多いのだ。
今年3月に陸上自衛隊に対する差別発言が問題になった石嶺香織・宮古島市議(34)が、4月にあった沖縄大学のシンポジウムでも差別発言を繰り返していたことがわかった。
「自衛隊員がたくさん来たら、居酒屋でバイトしてる高校生とか大丈夫かなあとか、女の子たち大丈夫かな、そういう不安があった」と言ったのである。
ちょっと時系列を整理してみよう。
3月9日にフェイスブックで「陸上自衛隊が宮古島に来たら絶対に婦女暴行事件が起こる」などと投稿し、3日後の3月12日に謝罪して発言を撤回。で、4月22日にシンポジウムのパネリストとして上記の発言をしている。
ちょっと理解不能である。記憶力に問題のある人なのだろうか?
インターネットでは、「自衛官の犯罪は実際、起こっている」とトンチンカンな発言をする人もいるようだが、それを言い出せば、ほぼすべての職業が当てはまる。犯罪歴のない職業など皆無なのではないか。
例えば、教育関連の総会がある場合、「教師たちがたくさん来たら、公園で遊んでいる小学生とか、女の子とか大丈夫かなあとか、そういう不安があった」と発言するのと同じである。
問題は、犯罪を犯したかどうかではなく、その犯罪のイメージを職業全体に広げてしまうことにあるのだ。それが職業差別である。
自衛隊なら職業差別してもいい。
石嶺香織さんという市議には、そういう確信があるようだ。これは、言うまでもなくレイシストの発想である。人種差別と職業差別は、同じ偏見を根っことしている。石嶺香織さんは、レイシストと同じタイプの人間なのだ。怖いねえ。
まあ、この人、月収額15万8千円以下なら入居できる県営団地に、市議(月収約34万円)当選後に入居していたことが発覚していて、ちょっと普通の感覚の持ち主ではないようだ。
石嶺香織さん風に最後を締めてみよう。
こういう市議がたくさん県営団地に入居したら、市議のモラルとか、市の財政とか大丈夫かなあとか、そういう不安を私は感じたのである。