私は、かつてテロリストを志望していた人間である。古き良き時代のテロリストを描いたロープシンの「蒼ざめた馬」が私の愛読書だった。
とは言え、警察に対して「この国家権力が~っ」などと毛嫌いしているわけではない。今では、近所の公園で若者たちが騒いでいたらすぐに110番して警察を呼び、「いやあ、ご苦労様です。冷えたお茶などいかがですか」とねぎらうことのできる男にまで成長した。褒めていただきたい。
警察官が権力を持っているのは当然であり、だからこそ国民の安全を守れるのだ。
だが、権力を持っているからこそ、力の行使には細心の注意が必要である。特に、無実の人を逮捕するようなことは、絶対にあってはならないのだ。
そのあってはならないことが起こった。
Twitterでアイドルグループのコンサートチケットを譲るとうそを書き込み、徳島県内の女子高校生から計8万円をだまし取ったとして、愛知県豊田市の専門学校生の女性(21)が詐欺の疑いで逮捕された。
女性は一貫して関与を否定していたが、勾留は続いた。その後、ようやく彼女になりすましていた人物がいることを、三好署は突き止める。彼女は、19日後に釈放された。
犯人は、京都市内の中学3年の少女(15)である。
徳島の三好署、なんと、15歳の女の子に振り回されていたのだ。専門学校生の書き込みを見て「チケットが欲しい」と連絡をとり、その後、なりすまして別の購入希望者をだましていたらしい。
逮捕された女子中学生は、かなり頭のいい子なのだろう。私など新聞を読んでいても、その騙した仕組みがよくわからないのである。
とは言え、警察までが「え~と、捜査するの面倒やし、やっぱり専門学校生が犯人ということでええんとちゃうの」などと手を抜いてはいかんのである。現金の振込先も女性名義だったとはいうものの、19日間も勾留するというのは無能にもほどがある。
「ほらな、名前一緒やろが」「お前以外におらへんねん」「はよ、吐かんかい」
最初から専門学校生が犯人だと決めつけ、他の裏取りはやっていなかったのだろう。そうでなければ、21歳の若い女の子を、被害額たった8万円の詐欺事件で19日間も勾留するわけがない。
専門学校生の女の子は、どんなに怖かったか。よく、19日間も頑張ったものだ。
警察官に対していつもは「ご苦労様」と感謝している私だが、今回の徳島・三好署に対しては、はっきり言わせていただく。
この無能警察がっ、しっかり仕事せんかいっ!!