人前でイチャイチャしている男女を見ると、私は必ず不愉快になる。
不細工な男女には、人前でイチャイチャする資格はない。権利もない。基本的人権など、お前たちには適用されないのだ。小便臭い路地の暗がりで、ひっそりとイチャイチャしやがれ、と強く思うのである。
もちろん私も不細工なのだが、何のためらいもなく「不細工なくせに人前でイチャイチャするなっ」と連中を罵倒するのだ。自分が言われたら怒るけど。主観と客観は違って当たり前である。
さて、映画「恋愛寫眞」は、広末涼子と松田龍平が演じる恋愛映画である。
実に、美しい。
やはりイチャイチャして許されるのは、こういう美しい人たちなのである。
広末涼子という人の魅力をわかりにくく説明してみると、彼女は普通の美人というタイプではなく、とびきりの美人を遠心分離機に乗っけて96時間ほどくるくる回して、その結果雑味が飛んでピュアになったような顔をしている。
声は、ドナルドダック的で頭のテッペンに近いところから出ているような印象だ。
別に貶しているのではない。思いっきり褒めているのである。私は、むかしから広末涼子が大好きなのだ。人に、誤解されやすい人間だとよく言われる。
松田龍平に関しては、「青い春」での美しさには劣るものの、やはり最高に美しい。ただ、この映画では、その美しさのポイントを広末涼子に振っているために、松田龍平は控えめに描かれている。
ストーリーに軽く触れておくと、二人が出会って、別れて、アメリカまで追いかけていくという話である。アメリカに渡ってからのほうが、ちょっと面白い。途中から謎解きがあって、この辺は火曜サスペンス劇場レベルだから、あまり期待しないように。
ただ、謎解き部分では小池栄子の存在がすごかった。私としては、もっと抑え気味の狂気を見せてくれたほうが映画としてはいいと思うのだが、クスリを貪り食うシーンは、非常に楽しかった。ちょっと引いたけど。
なお、冬の設定のため、彼女のおっぱいが強調されなかったのは残念である。クスリを貪り食いながら、シャツを破り捨てるような演出があっても良かったのではないか。それがサービス精神というものだ。
ちなみにエンドロールで流れる曲が、山下達郎の「2000トンの雨」である。画面には、ニューヨークの街並みが映っている。そこに粘着とアッケラカンが混在したような山下達郎の声がかぶさる。
「これほどニューヨークに似合わない歌はないな」と私はつぶやく。
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