さて、上の画面が一太郎2018の基本画面である。
シンプルなエディタを使い慣れている人からすれば、「何じゃ、こりゃ」状態だろう。シリーズが進むごとに見た目が派手になるガンダムや仮面ライダーのような状況だ。まるでV2アサルトバスターガンダムである。
やはり初代が一番シンプルで美しいのだ。
一太郎の初代の頃は、「なに、パソコンで日本語が打てる!?」と驚いているような環境である。ライバルとしては管理工学研究所の「松」というワープロソフトがあったのだが、確か、文字が緑色ではなかったか。私は、両方使っていたが、どちらかというと「松」の方が好きだった。そもそも社名がかっこいい。
下の画像が初代一太郎(風)の画面である。
いや、懐かしい。こんなファミコンみたいな画面で、しかも変換するごとにジーコジーコとフロッピーディスクの辞書を読みに行ったのだ。変換は、もちろんアホである。しかも、漢字が出るまで時間がかかる。だが、もちろん不満はなかった。パソコンで日本語が扱えるだけで、大満足だったのだ。
さて、現在の一太郎に戻る。
左側のパレットでは、ページネーションやブックマーク、校正結果を閲覧できる。右側のパレットでは、文字数(原稿用紙の枚数)やワンタッチでかっこいい見せ方にしてくれるスタイルセットなどがある。
上の画面の「吾輩は猫である」という文字は、モジグラフィという機能で右側の「挿入パレット」にあり、色んな文字遊びが簡単に作れる。電子書籍やPOPを作る際には便利だろう。ちなみに必要ない人は、パレット自体を消去できる。
辞書のパレットも設定できる。広辞苑や明解国語辞典、リーダース和英辞典などとリンクして、すぐに言葉の意味がわかるのはありがたい。ただし、このパレットを開いていると動きが遅くなる。辞書は、コントロールキーの二度押しで別窓で出てくるから、そちらを使った方がいい。
校正機能も装備していて、同じ言葉の頻出や語尾の不徹底などを色分けして教えてくれる。辞書にない言葉も指摘してくれるので、誤字脱字を防止できるのだ。最近は素人さんでも「すぐ次の文章で同じ言葉が出てますね」などと指摘してくるので、こういう機能はありがたい。まあ、めんどうだから使わないけど。
写真を入れれば文字の方が勝手によけてくれるし、縦書きの混じった文書もラクラク作れる。さらに、アウトプットナビという機能を使えば、折りのある冊子を印刷するのも簡単である。私には必要のない機能なのだが、同人誌などを作る人には素晴らしく便利であるはずだ。
私としては、機能過多である。
例えば、上の画像では、伊右衛門茶の壁紙を使っているのだが、好きな画像を背景として使えるのだ。これも余計な機能だと言えるだろう。もっと書くことに専念できるようなワープロソフトにしろと言いたい。
まあ、とりあえず試しに伊右衛門茶の壁紙を使ってみたのだが、ちょっとくやしいのだが、意外と合うのである。「バカバカしい」などと思いながらも、つい一時間ほど遊んでしまった。
ちなみに用紙部分をスケスケにして、画像を全面に見せることもできる。助平な人など、助平な画像をバックに入れれば助平がはかどるのではないか。私はそんなことはしないのだが、まあ、そういう機能もあっていいと思う。
但し、一つ欠点がある。
このスケスケ機能、スケスケ度の調整ができないようなのだ。透明度を100%にすれば、助平な画像に直接文字を打ち込むようなウヒャウヒャのワープロ環境になるはずなのだ。いったいジャストシステムの開発者はなにを考えているのか。画竜点睛を欠くとはこのことである。
私など、まさか透明度を調整できないはずがない、と約2時間も設定をいじっていた。そう言えば、エディタの行間も微調整ができないし、どうも細かいところの詰めが甘いようなのだ。
一太郎2019では、ぜひ、スケスケ度100%にできるように改良していただきたい。