福島みずほさんや辻元清美さんをはじめとする野党議員が、黒い洋服姿で「#MeToo」のプラカードを掲げて政府批判の集会に臨んだ。財務省の福田淳一次官による女性記者へのセクハラ疑惑に抗議する意思表示である。
そしたら、あなた。
自民党の長尾敬衆院議員が「セクハラとは縁遠い方々」などとTwitterで書き込んだのである。いやあ、怪しからん。この言葉自体がセクハラと言っても過言ではない。
私はね、非常に憤慨しましたよ。思わず「ブンガーッ」と叫んでしまったほどである。いくら相手が福島議員や辻元議員だからと言って、それは失礼でしょうが~っ。
確かに、全世界のセクハラ好きな男性に「福島みずほさんと辻元清美さんにセクハラしたいですか?」と聞いても、おそらくその99.97%の人は「NO~!」と叫ぶはずである。「あんなのにセクハラなんてYO! 想像しただけで吐いちまうぜYOYO!」と叫ぶはずである。
それが一般的な反応だろう。
だからと言って、それを言っちゃあおしまいなのだ。
長尾議員は、たぶんジョークのつもりで書いたのだろう。だが、北野たけしならジョークになっても、長尾議員ならジョークにはならないのだ。笑ってくれるのは、回りのヨイショする連中だけである。
その辺がわかっていないと、誰もがセクハラの加害者になってしまう可能性がある。
もう一つ長尾議員は「あの集団に男性もいたので、縁遠い方々と書いてしまった」と言っているのだが、言うまでもなく、男相手のセクハラもある。言い訳して無知をさらけ出す辺り、この人、基本的にバカなのかも知れない。まあ、自民党はマシな政党だが、大阪自民党は程度の低い連中が多いから仕方がないね。
で、どうも最近忘れっぽくて、「こんな記事書いたことがあるような気がするなあ」という思いにとらわれた。もしや、と思って過去の記事を探してみると、なんと前回の記事でこの問題について書いており、その内容はまさに「セクハラとは縁遠い方々」的な文章ではないか。
いやあ、びっくりした。
私もまた長尾議員と同様セクハラジジイだったのだ。反省している。
ただ、前回の記事でのラストの言葉は、「うん、その通りだ」と納得した。まあ、自分で書いたんだから、納得して当たり前なのだが。
もう一度、書かせていただこう。
「福島瑞穂さんや辻元清美さん、蓮舫さんのような#MeTooの資格がない人ではなく、ちゃんとその資格のある人が声を上げてはじめて社会は変わるのだと思う。男も女も関係ない。弱い立場の人が声を上げる。それが#MeTooなのだ」
ニーチェの言葉に「神は死んだ」というのがある。
あれをもじって使わせてもらうと、「#MeTooは死んだ。今も死んだままだ。そして、野党が#MeTooを殺したのだ」となる。#MeTooは、確実にその値打ちを下げた。
#MeTooを政治のパフォーマンスに利用して殺してしまった福島議員と辻元議員は、反省していただきたい。