私は、NHKの受信料を払っている。非常に腹立たしい。
昔なら公共放送は国民にとって重要な情報源であり、国民の受信料により成り立つというのは理解できるのである。だが、民放が増え、テレビ離れが進み、情報源の中心がネットに移り変わった今、そんな理屈は通用しないのである。
もう一度言う。NHKの受信料を支払うのは、非常に腹立たしい。しかも、ぼったくりである。衛星放送込みの場合は、月に換算すると2,280円だ。ふざけるなあっ。私は、紅白歌合戦など見たことないぞっ。この守銭奴がぁ。もし革命が起こったら、真っ先にNHKの施設を破壊しに行くから覚悟しておけっ。
まあ、朝ドラと大河ドラマ、ブラタモリ、それとドキュメント72時間はたまに見ているので、月800円なら納得して払ってやる。いますぐ800円にしなさい。
で、あなた。その「ドキュメント72時間」である。見たことのない人のために簡単に説明すると、これは、靴磨きやホームセンター、作業服店などに取材班が72時間張り付き、訪れる人たちに話を聞くという番組である。一人一人にそこを訪れる理由があり、それを淡々と聞いていく。無理矢理ドラマにすることもなく、しかし、時には思わず胸を打たれたりする良質の番組だ。
さて、本日の夕方、ホットカーペットの上でウトウトしていたら、その番組っぽいナレーションが聞こえてきて、「あれぇ、こんな時間にあの番組やってたっけ」と思って目を向けたら、朝日放送テレビの「キャスト」という報道バラエティ番組である。たぶん関西限定だろう。
どうやら今日からはじまった新コーナーらしい。どこか特定の場所に24時間取材班が張り付いてインタビューするようだ。
今日のテーマは、「真夜中のジムに通う人の人生いろいろ」である。深夜に訪れて色っぽくポーズを取る主婦なんかが出ていたのだが、なぜか「どうして主婦が深夜のジムに訪れるのか」という一番の疑問を投げかけてなかった。
もしかすると聞き逃したのかも知れないが、正直、私はこのコーナーのこころざしの低さに呆れかえり、真剣に見ていなかったのである。あの主婦、きっと仕込みだね。日本語が上手なオーストラリア人も出ていたが、あれも仕込みだろう。NHKの有名番組とうり二つのコーナーをヌケヌケと採用してしまう時点で、もはや信頼性はゼロである。
腹立たしかったのは、コメンテーターの連中が「いやあ、面白い」「次も見たい」「すばらしい」などとヨイショしていたことで、それを聞いているうちに、もう本当に声を上げて「恥を知りなさぁい」と叱咤しそうになった。杉下右京のごとく、ほっぺたプルプル状態である。
視野の狭いコメンテーターならNHKの「ドキュメント72時間」を知らない可能性はあるが、アナウンサーをはじめとするテレビ業界の人間が知らないわけはなく、よくも平然とこんな恥知らずなコーナーを紹介できるものだ。
NHKには大いに反感を持っているのだが、今回だけはNHKの味方である。
朝日と名が付くと、捏造、偏向はもちろん、パクリも平気らしい。おそらく恥という概念がないのだろう。情けないことである。