意外にも、私は見たのだ。
以前、「あまちゃん」は見ていて、あれは確かに奇跡的なドラマだったと思う。だが、朝の忙しい時間に、15分とは言え毎日見るのは結構大変なのだ。それ以降、朝ドラは見ていなかった。
それが「まんぷく」は、途中からではあるが、ちゃんと見たのである。一度見ると、続けて見たくなって、結局最終回まで見た。
やはりいつもお世話になっているカップヌードルのことが描かれているという点が大きかった。主役の女性もちょっと変な顔で、見ていて楽しいのである。
で、あなた。
「まんぷく」に出てくる会社のモデルである日清食品が、「カップヌードル新元号記念パッケージ」というのを5月1日に発売すると発表した。出すのは、カレーとシーフード、しょうゆの3種類である。
ほお、と私は注目した。これは、3種類ともほしいな、と思った。いや、正確に言うと「3種類とも買わねばなるまい」と強く決意した。
ところが、である。
日清食品から「カレーとシーフードの2種類の発売を中止する」と発表されたのだ。発売されるのは、しょうゆ味だけである。そんなセリフがあるのかどうか知らないが、思わず「がっくり栗之助」と口走ってしまったほどガッカリした。
「まんぷく」効果なのか、カップヌードルの販売が急増し、増産体制を敷いても追っつかず、結局、一種類のみの販売に絞ったのだそうだ。私としては、3種類+大好きなチリトマトヌードルも出して欲しかったのだが……。
私は、このパッケージデザインが気に入っていて、3つの商品が並んでいる写真を見たときなどは、「素晴らしいじゃないか」と呟くところを、興奮して思わず「素晴らしいやんけ」と言ってしまったくらいだ。
上の写真を見ていただきたいのだが、ダルマのデザインが見事だし、色も美しい。さらに「令和最初の3分間」というフレーズもいいのである。
最近の日清のCMには、首をかしげることが多かったのだが、これがB倍サイズのポスターならば、1万円でも買うのだ。いや、1万円は、ちょっとみえを張りすぎた。580円でも買うのである。できれば、380円にしていただきたい。
山本太郎さんが立ち上げた新党「れいわ新選組」には、乾いた笑いしか出なかったのだが、日清の令和の使い方は、オシャレで上手でスマートだ。いくらタイムリーでも、クオリティが伴ってなければ笑いものになると言うわかりやすい例である。
これから「令和」を使おうとする企業は、しっかりと考え、きちんと作り込まないと、「ああ、軽薄な会社なんやね」とか、「単なる便乗商品かいな」と思われるなど、むしろ逆効果になることを心にとめておかねばならない。
ちなみに私もなにか便乗商品を考えて企業に売り込もうと考えたのだが、これが意外とむずかしい。例えば、昭和なら「昭和のエッチな団地妻」とか、平成なら「平成娘のエッチな初体験」とか作りやすいんだが、令和はピッタリはまらないのだ。
実際にある例で言えば、「平成ゴジラ」はいいのだが、「令和ゴジラ」は、どうもしっくりこないのである。まだ、慣れていないせいだろうか?
うーん、とりあえず「実録! 令和の金玉男」というタイトルで、誰か映画を作らないか。今なら、脚本料、3,000円に負けておく。