ああ、いやだいやだ。
カラテカの入江慎也という人のことはよく知らないのだが、別に闇営業をしようが、その相手が詐欺をやっている反社会的集団であろうが、毎朝出たてのウンコを食べていようが興味はない。
ただ、この人のポスターを見て「ああ、いやだいやだ」と思ったのだ。そのポスターには、プリクラで修正したような気持ち悪い顔をしたオッサンが腕組みをして立っていて、こんなキャッチフレーズが添えられている。
「人生をさらに豊かにする人脈力」
ああ、いやだいやだ。はっきり言って、私は人脈が嫌いだ。人脈に頼ろうとする人間も嫌いだ。なにより「人脈力」などと言いながら金を儲けようとする奴が一番嫌いだ。
そもそも、「友達5,000人芸人」ってなんじゃい。はぁ? ふざけてんのか? いや、もう、こういうことを恥ずかしげもなく言うようになったら人間はおしまいである。
そもそも友情なんていうものは、「友達なんていらない」と考えている者同士にしか生まれないと、どこかの哲学者も言っているのである。友達5,000人などと吹聴するような男に、いったい何人分の友情が芽生えるというのか。それは、友達ではなく単なる知り合いなのだ。友達を語るならビジネス抜きで語れ、このバカたれが、と思うのである。
いいですか。人脈などを意識的に作ろうとするやつは、ネズミ講や情報商材などの詐欺的商法に関わる連中だけだと言っても過言ではない。パーティーなどで物欲しげに名刺を渡し続ける連中の、なんと情けないことか。
人脈などを気にする前に、まず、自分を磨くべきなのだ。スキルを磨いて、懸命に仕事をしていれば、いつの間にか友達は増える。そうして築かれた関係こそが、本来の人脈なのである。
ちなみに偉そうに言っているが、実は私は、中途半端にスキルを磨き、いつもテキトーに仕事をやっていたせいで、人脈と呼べるような関係は皆無である。付き合いは徹底的に悪いし、コミュ障だし、おまけにハゲである。
好感を持たれない人間として最初から人を遠ざけ、入江氏のような存在を敵対視しているのだ。こういう記事を書くのも、友達が多い人に対する嫉妬であると思われても仕方がないし、まあ、それは事実だろう。
だがね、人脈を表に出して「うん、あの人はよく知ってるよ」とか「この間、○○さんと仕事したんだ」などと言い出す人には注意した方がいいと思うのである。人脈関係の書籍も同様だ。金と時間の途方も無い無駄である。