今日は、自慢話である。
いつもハゲだのウンコを漏らしただの誰か300円貸してくれだのと自虐的に言っているので、たまには自慢させていただきたい。私だって、そういう欲求はあるのだ。
さて、ネットのニュースを見ていると、こんな記事があった。
電車内、傘で女性殴り逮捕 隣に座ろうとして嫌がられ
いや、もう、目に浮かぶようではないか。
6月4日の午後10時45分、ラジオ大阪のニュース情報部次長(56歳)が酒を飲んでの帰宅時のことだ。京阪本線の列車に乗り込むと、席が空いていた。
「おっ、ボックス席が空いてるやんけ。しかも、隣は若い女の子や。よっしゃ、あそこ座ったろ」
喜び勇んで座ろうとすると、その女の子が手を振るしぐさをしたのだという。
「なんじゃい、わしに座るなちゅうんかっ。このくされアマがっ。せっかく盛り上がったわしの助平心をどないしてくれるんじゃー」
ラジオ大阪のオッサンは、腹を立てて思わず持っていた傘で顔を殴ってしまったのである。彼女(23歳)は、顔や目に軽症を負った。
まあ、カッとする気持ちはわからないでもない。だが、23歳の女性にとって、56歳のオッサンは嫌悪の対象である。もし、他に席が空いていたのに彼女の隣に座ろうとしたのなら、その時点で有罪だ。厳しい裁判官なら実刑判決である。そこしか席が空いてなかったとしても、紳士であるならば、「お嬢さんは、そのままゆっくりお座りください」と自分は立っているべきなのだ。
私なら女性の隣に座ることは決してないのである。
さて、ここから自慢だ。
帰宅時に電車に乗ったときの話である。
電車は、ガラガラだった。私は基本的にシートには座らない派なのだが、他に誰もいない状態で立っているのも変である。私は、7人がけの端っこの席に座った。
すると、そこに一人の若い女の子が乗ってきた。女子大生風の雰囲気である。そして、彼女は私の隣に腰を下ろした。しかも、体をピッタリとくっつけてだ。
言っておくが私は、年寄りである。加齢臭どころか、死臭すら漂っているような人間である。顔は、不細工。しかもハゲている。決して若い女性に好かれるようなタイプではないのだ。あっちへ行けと手を払われても文句は言えない男なのだ。
ところが、なぜか彼女は私の隣に座った。いや、座ってくれた。いやいや、恐れ多くもお座りいただいたのである。
これがどれほど私の心の支えになっているか。ああ、私はまだ生きていていいんだ。生きることを許されているんだと、私の目からはまるで噴水のように涙がピューッと噴き出したのである。
まあ、それは嘘だけど。
正直に言うと、ちょっと怖くもあった。彼女の意図がわからないのである。
これが逆の立場なら、完全に怖いシチュエーションである。若い女の子がシートの端に座り、他に誰も乗客がいないのに、すぐ隣にオッサンが座ってきたのだ。女性ならあわてて立ち上がって別の車両に逃げるだろう。
私もちょっと不気味に感じたのだが、まあ、私は男である。若い女性の腕の感触に「ありがたやありがたや」と感謝しながら、貴重な時間を過ごしたのだった。
ラジオ大阪のオッサンの記事を読みながら、私はそのことを思い出した。オッサンに対し、非常に大きな優越感を感じたのは言うまでもない。
だが、あなた。
今、思い出したんだが、実はだな、もっと自慢したい話があって、それは背中に巨乳を押し付けてきた女の子の話で、いや、もう、あの感触は、私の背中に今でもはっきりと残っていて、ムニョ、いやムニョ~ン、いやいやムニョニョニョ~ンと言っても過言ではなく(以下略)。