槇原敬之という人が覚醒剤中毒で歯がボロボロなどというネットニュースを見て興味を惹かれたのだが、写真を見ると確かに歯がボロボロだった。芸能人なのに珍しいことである。
で、読んでいるうちに「ああ、あの人か」と気がついた。SMAPが歌っていた「世界に一つだけの花」を作った人なのである。あの歌なら知っている。
はっきり言って、私は、あれを最初に聞いたとき「なんと嘘くさい歌か」と思った。メロディはいいが、歌詞が嘘くさい。ウンコ臭いと言っても過言ではない。
あの歌詞の本当の意味は「そうさ、この世界にはSMAPのように多くの人々に愛される花もあれば、あなたのように誰にも見向きもされない寂しい花もある。だから、とっととあきらめて、華々しい人たちと比べることなどせずに、一生ひっそりと生きていけ。そのうち何かいいこともあるだろう」である。
なぜ、こんな歌に励まされる人がいるのか、私などはさっぱりわからないのだ。あれを聞いて「よし、おれだって、この世にただ一人の人間なんだ。勉強も出来ないしスポーツもダメ。顔は不細工でコミュ障でおまけに若くしてハゲ。それでもたった一つの花なんだ。もともと特別なOnly Oneなんだ。よーし、きれいな花を咲かせるぞ」などと励まされるというのは、これはかなり特殊な人ではないか。
私自身、勉強もスポーツも苦手で、顔はブサイクだしコミュ障だし、立派なハゲであり、とっくの昔に人と競うことを諦め、集団を忌避し、金が無い金が無~いなどと歌いながら日々を生きている。その意味では、「それなのに僕ら人間は、どうしてこうも比べたがる」という歌詞からは離脱した人間と言うことができるだろう。だが、だからと言って「その花を咲かせることだけに一生懸命になればいい」などは思わない。
そもそも花が咲かない隠花植物というのもあるわけで、道ばたに咲くタンポポなどは、雑草扱いされているが言わば上級国民。シダやコケ、藻などのように花が咲かない植物もあるのだ。SMAPと槇原敬之には、隠花植物にあやまれっと言いたい。小さな花すら咲かない人間だっているのだぞ。
まあ、いい。とにかく槇原敬之には、早く歯医者に行けと言っておきたい。
ちなみにこの間亡くなった野村監督は、自分のことを月見草と言っていたようだが、私もバラやランは無理として、せめてチンポウゲくらいの花は咲かせたいものである。
ああ、失敬。正しくはキンポウゲだったな。チンポにケが生えているという名称は、いくらなんでもおぞましすぎる。そんな花を一生懸命に咲かせたら、猥褻物陳列罪で逮捕されるのだ。気をつけよう。