だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

大河ドラマ「麒麟がくる」における岡村隆史の役割について書こうと思ったが、彼の風俗嬢発言で骨子が変わった。

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私は、NHKの料金はきちんと払い続けている人間である。非常に悔しく、「それでもテロリストを目指した男か~っ」と自分で自分を殴ってやりたいのだが、まあ、基本的に真面目だからしかたがない。

料金を払っている言い訳としては、やはり大河ドラマを見ているのというのが上げられる。見ている以上は、払うというのが私の倫理である。見ていなければ、払わないのだ。

さて、その大河ドラマ麒麟がくる」である。

このドラマの見所は、織田信長がいかに狂っていくかと、その有様を見て「こいつあかんやつや」と察知した明智光秀が謀反を起こすところにある。

織田信長は、天下を太平に導く麒麟ではない。このままでは日本は大変なことになる」と苦悩した明智光秀が「敵は本能寺に在り」と叫ぶ瞬間にドラマは終わると思うのだが、となると、やはりポイントは織田信長の狂気をいかにして描くかと言うことだ。主君を殺す以上、生半可な狂気では説得力がないのである。染谷将太の演技力に期待である。

さて、本筋とは関係ないのだが、最初見ていて「なんじゃい、この演技の下手な俳優は」と驚いた場面があった。他の俳優と比べると浮いていて、思わせぶりな演技に違和感があった。

菊丸を演じる岡村隆史である。実は、私は顔が判別しづらい相貌失認という持病があり、腰痛とともに長年苦しんでいるのだが、最初、岡村隆史だとは気付かなかった。あとでクレオパトラ似の妻から「あれは、岡村隆史よダーリン」と教えられたのである。

最近は慣れたせいか、最初に見たときの違和感は薄れているのだが、それでも彼が出るたびに「うーん」と唸っている。この間は唸りすぎて、脱糞しそうになった。赤ちゃんに「シーシー」と言ってオシッコを促すのと同じで、私は排便の際「うーん」と唸るのである。まあ、そんなことは関係ない。

彼の役柄は、どうやら隠密らしいのだが、脚本家は芸人としての彼にちょっと気を遣いすぎではないか。ただの端役、便利屋的な男で十分であり、へたに重要な役柄を付けてしまうと、出来の悪い狂言回しになりかねない。また、出番を増やしすぎである。ああいう隠密的な役柄は、たまに出るから価値が出る。

しかも、あなた。ドラマ以外での雑音まで出てしまった。これは、痛い。

岡村隆史は、コロナ  に際してとんでもない発言をしてしまったのだ。

「コロナが収束したら、なかなかのかわいい人が短期間ですけれども、お嬢(風俗嬢)やります。短期間でお金を稼がないと苦しいですから。3カ月の間、集中的にかわいい子がそういうところでパッと働いてパッとやめます。『え? こんな子入ってた?』っていう子たちが絶対入ってきますから。だから、今、我慢しましょう。我慢して、風俗に行くお金を貯めておき、仕事ない人も切り詰めて切り詰めて、その3カ月のために頑張って、今、歯を食いしばって踏ん張りましょう」

ラジオでの発言らしいのだが、ちょっと信じがたい内容である。かつてSMAPが助平な発言をしたときは「アイドルが下ネタを!?」と好感を持って迎えられたのだが、助平そうなオッサンが助平な発言をしても誰も感心しない。しかも、内容がひどい。

コロナウイルスで世界が混乱している最中、仕事や金がなくて苦しむ女性を対象に、風俗で稼げと言っているわけで、これは織田信長に匹敵する狂気ではないか。少なくともラジオで言っていい内容ではない。長く続く番組だったようで、仕事としてのプレッシャーや緊張感がないままやっていたのかも知れない。

一応念のために言っておくと、私自身は、この発言で不快な気分にはならなかったし、もちろん傷つきもしなかった。ただ、アホやなあと思っただけだ。一般的な倫理観に乏しい男である。

ただ、この発言による弊害はある。

麒麟がくる」の菊丸は気弱でいい人そうな設定なのだが、彼が出るたびに、彼が風俗で「へへへ」とほくそ笑みながらイク瞬間の顔を想像してしまい、思わず集中が切れてしまうのである。まあ、沢尻エリカのようにクスリをやっていたわけではないので「降板せよ」とは言わないが、イメージ的には彼女以上に悪いのではないか。見ていて笑えないお笑い芸人を続けるよりも、役者一本でいけばどうか。まあ、それは役者の方に失礼か。

しかしそれでも、例えば岡村隆史織田信長役を見たい気もする。比叡山を焼き討ちし、坊主やら女子供の首まで跳ね飛ばし、「へへへ」とほくそ笑む。そんな岡村隆史を、ちょっと見てみたいような見たくないような。