だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

馬鹿にされ続けてきた一体型デスクトップパソコン。あるいは、中華製ThinkPadの憂鬱。

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昔から一体型デスクトップパソコンは、馬鹿にされてきた。

「情弱のアホやろ。モニター部分が壊れたら、本体も棄てるんか」「あんなのジジイの家電やんけ」「性能低いし拡張性もない。しかもぼったくり価格や」「使ってるのはハゲだけや」「ポンポコピー」などとボロカスに言われるのである。

私も一体型デスクトップパソコンは買ったことがない。iMacは二台買ったが、あれは、まあ別枠だからな。ギリギリセーフである。

私の場合は、ノートパソコンがメインだ。元々IBMThinkPadが大好きで、IBMが中国のLenovoに身売りしてからもThinkPadを使い続けている。中国は嫌いな国だが、黒の筐体に赤のポッチがなくては気分が乗らないのだ。勝負パンツと同じである。いや、ちょっと違うか。

ところが最近、私は自分の選択に疑問を感じだしたのだ。

ノートパソコンでありながら、完全な据え置き機なのだ。バッテリーを外して電源コードをつなぎ、キーボードもマウスも外付けだ。持ち運んだことは一度もないのである。そもそも書斎以外では、パソコンは使わない。他人がいる場所では、文章が書けない特異体質なのである。クレオパトラ似の妻だって例外ではないから、リビングで使ったりもしないのだ。

だったら、あなた。デスクトップパソコンでいいのではないか。

それが論理的帰結に思えて、Amazonでデスクトップパソコンを検索してみた。自宅のパソコンは、24インチのモニターを増設しているからタワー型のPCでもいいのだが、それではモニターが一つになってしまう。私の場合は、やたら資料を広げて使うから、モニターは二つ欲しい。となるとやっぱり選択肢は一体型デスクトップパソコンなのだ。

近所の家電量販店でもたまに見ていたのだが、一体型デスクトップパソコンは、ぼったくり以外の何ものでもない。Celeronで18万円とかの値段が付いていて、ああいうことをやるから客がAmazonに逃げるのだ。まあ、買うやつがいるから売るのだろうが。

Amazonでは、Core i7で5万円台の製品を見つけたのだが知らないメーカーである。おそらく中華製だろう。調べてみると第3世代のCore i7だった。「超高速」などとレビューの評価は高いのだが、さすがに第3世代じゃなあ。とりあえず却下である。

私が注目したのはLenovoの製品(上の写真参考)で62,000円(クーポン使用)だ。CPUはRyzen5で256GBのSSDに1TBのHDDが付いている。デザインも悪くはないし、今時のパソコンらしくベゼルも狭い。まあまあいいのではないか。欠点は中華製という点くらいである。よし、あとは現物を見るだけだな。

近所の家電店で探してみると、同じ機種があった。ところがかなり格落ちのCPUとSSDを省いたモデルであり、それでいながら価格はなんと約10万円だった。1TBとは言え、いまどきHDDのみのパソコンを売るというのはこれは客を騙すための製品としか思えない。おそらく量販店が「いや、こんな性能のええやつはいらんのですわ。SSDもいりまへん。その代わり仕入れ値を安してえな」とでも言ってLenovoに発注したのだろう。これこそ情弱用の一体型デスクトップパソコンなのだ。

Amazonならこれの上位機種が62,000円だぞ。小島君、恥を知りなさいっ」などとと大声で叫びたい気持ちを抑えつつ家に帰り、よし、ポチるぞなどと自分に言い聞かせながらパソコンに向かったのだが、結局、まだ買っていない。

私のThinkPadは、随分と古いCore i5なのだが、この間、500GBのSSDに換装したばかりである。少々立ち上がりが遅いが、使っていてまったく不満はないのだ。何より私はThinkPadを使い続けて30年のThinkPad男である。一体型デスクトップパソコンを買えば、今使っているThinkPadはデスクから去ることになるのだ。

それは、無理だ。それは裏切り行為である。

私は中国があるであろう方向にむかって、「だが、言っておくぞ、習近平くん。私はThinkPadのファンであって、Lenovoのファンじゃないのだよ。つけ上がるんじゃないっ」と叫んだのだった。