だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

「一太郎2021」ではなく、「Scrivener3」を買ってしまった話。

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一太郎2021」はまだ買っていない。

前から「もう買わない」「絶対買わない」「死んでも買わない」と言い続け、なのに結局買ってしまうという愚行を繰り返してきた。今度こそ買わないのである。もう、発売から5ヶ月が過ぎたのだが禁断症状も出ていない。ようやく「一太郎」という呪縛から解き放たれるときが来たのだ。

私がちょくちょく覗いているカルト的漫画家のブログがあるのだが、彼も長年の一太郎愛用者である。だが、一度チラッと名前が登場しただけで「一太郎2021を買った」という記事はまだ出ていない。おそらく買っていないのだろう。彼からも見放されたのだ。

「機能や見た目がほとんど変わらない」という理由が一番大きいのだが、もう一つ、以前のプレミアム版がなくなり、プラチナ版という無駄なソフトを抱き合わせて値段だけ高くしやがったという、極めて不快な販売方法がある。わしを金持ちだとでも思っとるのか~っと怒鳴りたい気分だ。わしは、徹底的な貧乏人であるぞ~と声を大便にして言いたいのである。無駄なプライドさえなければ、生活保護だって受けられる立場なのだ。

買っていない理由は、もう一つある。

「Scrivener3」という執筆アプリを導入したのだ。これは、小説家や学者先生御用達のアイデアプロセッサーで、私もバージョン1から使っていたのだが、ちょっと使いづらい点があった。なにしろ気位だけ高い没落のイギリスで開発されたソフトである。落ちぶれたくせに過去の栄光を忘れられない。アジア人を差別しても平気な連中だ。私のように繊細な日本人が使うと、時折「クワーッ」となるのである。

で、ある日、鼻くそを食べながらネットサーフィンをしていると、目に飛び込んできたのが「Scrivener3」のスクリーンショットである。いや、あなた。ビックリしました。

「ダークモードではないですか~っ」と思わず叫びましたね。そうなんです。私がキャラメルコーンよりも好きなダークモードが搭載されていたのです。黒くて集中しやすく、白内障緑内障に苦しむ私には、非常に優しい画面なのだ。これは、買わねばと私は豚の貯金箱を壊そうとしたのだが、ネットでしか買えない製品である。しかも、サイトは英語である。鬼畜米英、来るなら来い来い赤とんぼ。なぜ、日本男児の私が、毛唐の文字などを読まねばならんのですか~っ。

まあ、辞書を引き引きなんとか買いましたがね。嬉しいのは、バージョンアップだと割引になることで、3,000円弱で買えました。さらに嬉しいのは、デザインも機能も大幅アップされていたことである。細かい使い勝手もかなり良くなっていて、私は「さすがはイギリス。ホームズとビートルズを生み出した国のことだけはある」と褒めそやしたのである。

なに、褒めすぎだと言うのか? いーや。一太郎の金太郎飴化になれてしまっていた私には、非常に新鮮に映ったのだ。特にダークモードで全画面表示した時は、思わず「これだっ」と叫んだのでありんす。集中力、5割増しなのだ。選択文字域も黒地に鮮やかな黄文字となり、デフォルトでこの配色ははじめてだ。思わず「頑張れ阪神タイガース」と叫びたくなるのである。

不満があるとすれば、メニューの一部が英語のままだったり、Mac版にはある縦書き機能がWindows版にはないことくらいだ。ああ、それと、各プロジェクトをタブ化して一画面に統合できるという機能も付いてないようだ。早く付けてくれ。

本当は一太郎を作ったジャストシステムにも見習ってほしいんだが、まあ、無理だろうな。一太郎は、30年後も今と変わらぬ一太郎のままであろう。せめてダークモードを搭載し、全画面表示をきちんと全画面表示にしてくれれば購入を考えないでもないのだが……。今度こそ「一太郎よ、さらば」となるのかも知れない。

いや、「Scrivener3」がここまで使いやすくなった以上、「一太郎」どころか、「Mery」も「O’sEditor2」もいらなくなる可能性がある。小説や論文はもちろん、メモや雑文など、すべての文書作成はこれ一本に統合してもいいのではないか。まるで全国を統一した徳川家康の気分である。それほど「Scrivener3」が気に入ったという話であります。