いやあ、彼の心の声が聞こえてくるのである。はっきりと耳のそばで聞こえてくるのである。こんな声だ。
「たかが金メダルをかんだだけで、なんで、こんなぼろかすに言われないかんのじゃー。金メダルをムシャクシャ食ったんやったら、ぼろかすに言われてもしゃーないやろ。そやけどかんだだけやんけ。それを、みんなでよってたかってわしをレイプ犯で人殺しで、おまけに盗撮と生活保護費の不正受給もやってたみたいにぼろかすに言いやがって。わしは名古屋市長やぞ。ふざけんなやっ」
今のは、完全に私の想像だが、彼の心の声はこれに近いのではないか。でないと最初の謝罪である「最大の愛情表現だった。金メダル獲得は憧れだった。迷惑を掛けているのであれば、ごめんなさい」 などというふざけた言葉は出てこない。
私自身が年寄りだからあまり老害という言葉は使いたくないのだが、河村たかし市長は、間違いなく老害である。自分が人気者だと勘違いしているのだろう。自分が醜い脂ぎったうざったい年寄りであることに気づいていないのだ。
人気者だから、金メダルをかんだって許される。相手もそれを望んでいる。なんだったら、ペロペロなめてもいいんじゃないか。わしの唾液なら彼女だって喜ぶはずだ。「女の子が自分に好意を持っていると思っていた」とセクハラするおっさんにありがちな思考である。
そう言えばこの人、男性職員がお茶を出したら「なんで男がお茶を出しているんだ、恥ずかしい 」などと言ったと伝えられていて、かなりずれている人なのである。私の中では、これまで「市長の割にはおもしろいおっさん」というイメージだったのだが、完全に老害の勘違いジジイに格下げとなった。市民の好感度もかなり下がったのではないか。今、市長選をやれば確実に負ける。
そもそも私は、金メダルをかむという行為自体が昔から嫌いだった。美しくないのである。歯をむき出しにした顔は、基本的に醜いのだ。いつの頃からか、多くの金メダリストがかんでみせるようになり、実に不快だった。カメラマンや記者の「かんでください」という要望に応えたケースも多いのだろうが、そんなもの無視すればいい。小判をかじる時代劇じゃあるまいし。
金メダルをかむという行為に嫌悪感が生まれた今、今後、少なくとも日本では金メダルをかむ人はいなくなるのではないか。メダリストの表敬訪問にも疑問の声が上がっており、それを考えると河村たかし市長の愚行にも少しは意味はあったのではないか。
次から次に現れる非難のコメントを読み、「河村のやつも哀れよのお」などと思っていたら、今度は石田純一がコメントを出していた。
「今はメダルを自分でかけてるじゃないですか。それは感染防止のためで、それをかじっちゃったらダメでしょう。河村さんにとっては愛情表現かもしれないですけど、相手にとったらビックリしますよ。例えばね、長嶋茂雄さんが金メダルをもらったとして、それを取ってかじりますか?そういうことしないでしょ。ある意味、人を見てるんですよ。そういう方のはやらないと思うので、やっぱりダメですよね」
確かに理屈は通っているのだが、この人、緊急事態宣言が出ていたときにのんきに沖縄に行った人ではなかったか。しかも旅行前にコロナに感染していたとかで、「コロナばらまき旅行」などと随分と叩かれていたように記憶している。なぜ、こんなに偉そうにコメントできるのかが理解できない。
この人も十分に老害1級の有資格者である。