だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

なんだと!? オミクロン株にビビりまくりの日本人だと!? わしはビビってはおらんぞ。どんとこんかいオミクロン株。

f:id:b9q:20211230102458p:plain

「オミクロン株にビビりまくる日本人」などと言っている人がいて、私は「ああ、また韓国人だな」と思ったのだが違った。どうやら日本人らしい。

この手の人のワンパターンなのだが、ちゃんとWHOも引き合いに出して日本人を笑っていた。「世界がこう言うてるんやでぇ」というやつである。

「日本の鎖国令に対し、WHOは名指しで『理解不能』とコメントしている」

はいはい、WHOね。コロナがはやりだした頃、ロンドン在住の日本人医師がさんざん日本の対応を馬鹿にして「1ヶ月後の東京は今のニューヨークだ」などと言い放ったのだが、実際にはロンドンの方がはるかにひどい状況になって恥をかいた。この人もWHOの関係者だったなあ。

WHOなどという右往左往する組織の発言を引き合いに出すこと自体がおかしいのであって、現にWHOのテドロス事務局長は「オミクロン株は感染力が強く、デルタ株と同時に流行していることで『津波』のような大感染になることを非常に懸念している」と談話を発表している。コロッと意見が変わったのだ。WHOは、確かコロナがはやりだした頃も、「マスクは意味がない」などと日本人を馬鹿にしたのではなかったか。

前述の人は、「(要約)人間は誰でも死ぬ。だから高齢者のコロナ死は『寿命』と捉えるべき。コロナ死亡の平均年齢は82歳。寿命だ。それでもコロナ対策をすべてに優先したままでいいのか」などとも言っていて、なぜ、こんなに極端に語るのか、これもこの手の人のワンパターンなんでしょうなあ。

フランスでは一日の感染者が20万人とかで、さすがに来月3日以降、カフェやバーで立ったままでの飲食を禁じたり、長距離列車や映画館内での飲食も禁止したりする。ワクチンの追加接種の間隔も1カ月前倒しし、3カ月に短縮するなど対策を急ぐ」とのこと。「へいへい、フランス人もビビりまくってるよ~っ」ときちんと書いていただきたい。それともフランス人は馬鹿にしない主義の人なのだろうか?

ま、どちらにしても「ビビりまくり」などという言葉を使ったのは、まずかったね。普通に「警戒し過ぎではないか」程度の言葉で収めていればいいものを。よほど自分は普通の日本人ではない、とアピールしたかったんだろう。

この人は、一方、自分の周りには鬱で自殺した人が4人もいると語っており、そういう大切な命を守れずに、なにがコロナ対策か。そろそろ建前論はやめにして、高齢者ではなく、主に将来ある若者や働き盛りの中年層を主眼に置いた考え方でいこうではないか。そもそも高齢者はすでに青春を謳歌してきたんだから、もう十分だろうなどと語っているのだ。

まあ、少々乱暴だが、これには私も似たような意見である。私自身老人だが、老人が嫌いであり、特に独善的なジジイは大嫌いだ。いつも「早く死ね」と思っている。

ただし、鬱で自殺する人もコロナで死ぬ高齢者も、命は命であり変わりはないとも思っている。そもそも命は大切ではないという考えなのだ。強いて言えば、「何歳で死のうがそれで十分」という考え方である。死んだ年齢が寿命なのだ。

仮に子供が死んだとしても「あの子は、短い時間だったが精一杯生きたのだ」と考えた方が精神衛生上よろしい。

自殺を考える人に対する対策は必要だが、自殺した人の命はそこまでだったのであり、ちょっとこの人、自分の経験に思い入れがありすぎである。私は、こういうことは恥ずかしくて書けない。まあ、若さ故の筆の滑りというものだろう。

私が日本のコロナ対策で足りないと思ったのは、次のようなメッセージだ。

「お年寄りの皆さんは、コロナに感染すると死ぬ確率が高いので家から出ないでください。カラオケなんぞはもってのほか。ちゃんと食料は届けますから、どうか出歩かないでください。日本の経済は、感染しても重症化しないであろう若者がなんとかします」

「70歳以上外出禁止令」を発令して、さらに老人に引きこもり見舞金でも出してくれたら、私は、一生スガ総理に付いていったんだがなあ。残念である。

まあ、30代でも亡くなっている人がいるから、その人や遺族からしたら、「何言うとんじゃ。わしの息子は出社して死んでもたわい」と言うことになるのだが……。データで命を語り出すと、そういう視点がおろそかになるので危険である。私も含めて、要注意なのだ。