だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

「エンジェル・ウォーズ」は、意外と楽しめる映画だったが、もっとパンツを見せろと言いたい。

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GyaOでなかなか面白い映画を見たのである。Amazonで見ようと思ったらまだ有料だったので、ありがたやありがたやとGyaOに感謝しながら見た。

「エンジェル・ウォーズ」という映画である。ただしこの映画、見終わってから調べたのだが、特に海外での評価は低いようだ。監督が「300(スリーハンドレッド)」や「ウォッチメン」のザック・スナイダーだから、おそらく期待度が高すぎたのだろう。私は、監督や俳優の名前も知らないアホなので、期待などは一切なし。そこそこ楽しめたのである。

そもそも、サムネイルの画像が金髪のコスプレ美少女が日本刀らしきものを背中に背負っていて、タイトルが「エンジェル・ウォーズ」(原題はSucker Punch不意打ちの意味)であるからして、これはもうB級決定ではないか。コスチュームから推測すれば、パンツが見放題であることに間違いなし。助平な男に向けて作られた映画に決まっているのだ。志の低い情けない映画である。私は、大好きだ。

で、気軽に見始めたのだが、いや、あなた、これがなかなか凝った作品だった。

妻の遺産を狙っていた男が、二人の娘に全財産を残すという遺言書を見つけて怒り狂い、まずは下の娘に襲いかかろうとする。ロリコンが喜びそうな展開だが、そうじゃない。そこまで志は低くない。

長女は妹を助けようと銃を撃つのだが、運悪く妹に当たって死なせてしまう。主人公からしたら、ガーンですよ。これ幸いと、男は娘を精神病院に入れてしまうのだ。しかも、「記憶を消すためにロボトミー手術をやってくれ」と医師に頼むのである。

で、いよいよ手術がはじまり、細長い釘みたいな器具が目の横から打ち込まれようとした瞬間、「はい、カット!」となってそれまでのシーンが舞台稽古であったことが明らかになる。

実はそこは娼館で、男たちを楽しませるためのショーの練習が行われていたという設定なのだ(とりあえず)。

主なテーマは、その娼館からの脱出なのだが、そのきっかけとなるのが主人公のダンスである。ダンスを踊る際にトランス状態に入り、それとともにファンタジー戦闘シーンが始まる。相手は、武士であったりナチスのゾンビ兵士たちであったりロボット兵士であったりするのだが、わりとよく描けていてしらけたりはしない。ただし、パンツが見えたり衣装が破れたりするあからさまなエロシーンがないのでちょっとガッカリだ。

構造が重層的になっていて、しかも、主人公の妄想シーンが入るのである。単純な映画でさえ理解できないことが多い私には、引き算よりも難しい映画だった。13-7ではなく、せめて15-7くらいの難易度にしていただきたい。二度見て、設定やら結末の意味がようやく理解できたのである。

結末は、私としては(本質的には)ハッピーエンドだ。自由への脱出というテーマ、精神病院とロボトミー手術と言えば、「カッコーの巣の上で」が印象に残っているが、あれと同じでハッピーエンドと考えたい。

ちなみに賢者役で出ていたスコット・グレンが、最後、バスの運転手役で出てくるのだが、実に格好がよろしい。また、エンドロールで流れる曲も格好がよく、聞き覚えがあるので調べてみるとロキシーミュージックだった。いやあ、懐かしい。いずれ視聴不可になるだろうが、とりあえずYouTubeのを載せておく。

と言うわけで、私にとってはいい映画だった。72点である。

 


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