いやあ、こんなことならもっと早くスマホに替えておくべきだった。ガラケーとタブレットの組み合わせが最強、などと片意地を張るのではなかった。自分自身が恥ずかしい。
年を取ると独善的になり、わしの若い頃はなどとぶつくさ言い始め、自分のミスは棚に上げ、他人のミスを責め続ける。いずれはアクセルとブレーキを踏み間違えて人殺しになってしまうのである。ああ、怖い怖い。
スマホは、実に面白い。触るたびにワクワクする。電車でスマホをいじる連中を馬鹿にしていたのだが、馬鹿は自分だったのだ。申し訳ない。
しかし、タブレットが小さくなっただけだというのに、なぜ、こんなに面白いのか。
そう言えば、私は昔、小さい電子機器が好きだった。PalmというPDAは何台も使ったし、アップルのNewtonも持っていた。SHARPのZaurusも何台も買ったなあ。あれは、自由度がなくてあまり面白くなかったが。
ああ、そうだ。ヒューレット・パッカードの700LXという筆箱みたいな小型PCも愛用していたぞ。あれは小さな物理キーボードが付いていたから、特に私のお気に入りだったのだ。
そうか。わかったぞ。
スマホは、小さいから面白いのだ。手のひらにのるほど小さく、それでいて高性能。そして高性能であるほどに、ワクワクは大きくなる。まあ、バルミューダフォンは、小さいけどイライラするらしいので、やはり小型かつ高性能という二つのポイントをクリアしていないといけないのだろう。
今、私が使っているピクセル6は、独自に開発されたGoogle Tensorを搭載していてブラウザもサクサクだし、カメラだって高性能だ。これまで愛用していたリコーのGRデジタルの出番も減ってしまった。録音機能を使えば、勝手に文字に書き起こしてくれるし、買い物だってできてしまう。考えてみれば、電話としての機能の優先順位など、もう下の方なのだ。
さらには、私が愛用しているメモアプリGoogle keepなどは、スマホならではのアプリであって、これを自宅のパソコンでしか使っていなかったのは、実に非効率的。宝の持ち腐れであり簞笥の肥し。英語で言えば、waster of talent(才能の無駄遣い)である。
一つだけ悩んでいるのは、日本語入力の方法だ。物理キーボードの達人である私からすれば、アプリのキーボードはどうしてもなじめないのである。
これまでタブレット端末では、QWERTY配列を使っていた。画面が大きいから、両手親指で打つのにちょうど良かったのである。ピクセル6はスマホとしては大きい方だが、さすがにQWERTY配列では打ちづらい。
あと、ATOKのフラワータッチ入力は、結構練習してそれなりに速く打てるようになったのだが、今はサブスクでしか導入できない。月額300円程度とはいえ、ずーっと払い続けるほどの価値があるかというと疑問である。1,500円くらいの買い切りなら、速攻で購入するのだが。
いくつか試してみたのだが、アルテのローマ字入力が結構良くできていて、ほぼこれに決まりである。GboardのGodan入力が進化したような入力方式で、例えば「にゃん」「きょう」がパネルから指を離さずに一筆書きで入力できる。スワイプ入力と言うらしい。
英語圏の連中のスワイプ入力の動画を見たのだがものすごい速さである。アルファベットという単細胞向きの言語ならではの入力方法なのだろうが、でたらめに指を動かしているとしか思えなかった。いや、脳天気な白人にあんな高速入力ができるわけがなく、おそらくでたらめなのだろう。
アルテは、日本語のスワイプ入力ができるよう開発努力を続けていて、Googleやジャストシステムが「日本語にスワイプ入力は無理やお手上げや堪忍や」と力を入れていない今も頑張っているらしい。「アルテ日本語入力 先行版」は、1,000円の課金によりいくつかの機能も使えるようになる。「安い。安すぎる。私なら100,000円払ってもいい」と言っておこう。まあ、嘘だけど。
ちなみに日本語のスワイプ入力に興味のある方は、以下の「日本語とスワイプ入力」をお読みいただきたい。なかなか興味深い内容なのだ。