だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

それを論理の飛躍という。柔軟剤「レノア オードリュクス スリープ」のCMに批判殺到。

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「レノア オードリュクス スリープ」という柔軟剤のCMに、批判の声が上がっているらしい。なんでもかんでも怒りだす人がいるんだなあ、と感心するのである。

CMへのクレームと言えば、私が一番印象に残っているのは、矢沢永吉が出演した「夏だからってどこか行こうってのやめませんかアレ。どこだって夏なんだから」というサントリーBOSSのCMである。

長野県の旅館経営者がクレームを付けて、すぐにサントリーは放映中止にしたらしいのだが、実に情けない。こんな対応をするから、クレーマーがつけあがる。「缶コーヒーもCMも、自信を持って送り出している。文句があるならBOSSは飲まなくて結構。いや、むしろあなたのような人間には飲まれたくない」と、なぜ言えないのか。

で、レノマの実際のCMを見てみたのである。

「日本の女性は、世界で最も睡眠時間が短いと言われている」というフレーズからはじまり、「だから、質の高い睡眠環境が必要だ」と続き、そして「レノマから眠りのことを考えた初めての柔軟剤が誕生」と締めくくる。

うーん、ちょっと無理があるのではないか。

「日本人女性は、世界で最も睡眠時間が短い」というデータをどう捉えるかがこのCMの肝だと思うのだが、普通に考えれば、「日本の夫婦間の役割分担が女性に不利である。だから、睡眠時間が減るのである」となるのではないか。

だったら、その問題を主眼とすべきだ。そして、その問題を解決するためのお手伝いを「レノア オードリュクス スリープ」ならできる、とつなげなくてはならない。となれば、語るべき機能は「眠りの質」ではなく、「洗濯にかかる時間が半分になる。従って睡眠時間が増える」とかでないと成立しない。

今のままでは、「レノア オードリュクス スリープを使ったら、眠りの質が高くなりまっせ。そやから睡眠時間は、これまで通り、世界一、短いままでええんですわ。よかったよかった」というメッセージだと解釈されても仕方がないのだ。

「日本人女性が世界一睡眠時間が少ない」というデータは、調べてみると2017年のものが見つかったのだが、現時点ではどうなっているかはわからなかった。だが、例によって「白人国家最高、アジアは未開」的な結論ありきの調査のように思える。一位は、当然のごとくフィンランドスウェーデンなどであり、ちなみに「睡眠の質」で言えば、最低の国家は中国なのだそうだ。そこは、納得なんだがなあ。

まあ、「報道の自由度ランキング」と同様、あまり真に受けない方がいいと思う。国連をはじめ、国際的なデータなど信じてはいけないのだ。

あとレノアの柔軟剤に関して私が文句を付けるとすれば、そのネーミングである。

オードリュクスてなんやねん。表記は「EAU DE LUXE」だから、直訳すると「贅沢な水」だろうか。だったら「レノア 贅沢な水の眠り」とでもしとけや、と思うのである。日本人のくせにフランス語で命名しやがって。このええかっこしいが。お前は東京もんか、と私は5分ほど毒づいたのだ。


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