だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

 【iClever G02】我が手にゲーミングキーボードがやってきた。PCゲームはしないけれど。

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自慢させていただくと、私はキーボードの達人である。もしくは左手小指使いのエキスパートである。右手人差し指だとやや卑猥な感じがするので間違えないでいただきたい。ちなみに小指は、コントロールキー(CapsLockキーと変更済み)を押すために使う。

タッチタイピングはもちろんできる。首を180度後ろに向けたまま、華麗にタイピングできるのだ。後ろからの攻撃にも対処できるのである。

さらに、AutoHotkeyというアプリを使って、ホームポジションに両手をおいたまま、削除やカーソル移動、注目文節の伸縮や移動など、ほとんどの機能を目にも留まらぬ速さで駆使することができる。言わば、キーボード界の音速の貴公子だ。死にかけの老人の割にはなかなかやるのである。

私が若い頃には、プロの物書きはキーボードにこだわらなければならないといった風潮があり、その頃絶賛されたのがThinkPadというノートパソコンである。今は中国のLenovo傘下だが、当時は泣く子も黙るIBMが作っていた。

私は権威的意見にすぐに影響される男であり、もちろんすぐにThinkPadを買った。確かに打ち心地がいい。「なんだ、君。NECのノートパソコンなんか使っているのか。それでもプロかね」などと言いながら、何台もThinkPadを買い続けたのである。

ある日、ThinkPadの外付けキーボードを見つけ、「これなら画面を遠ざけて打てるな。首の疲れが減りそうだ」と使い始めたのだが、興が乗ると打鍵が強くなるせいか、ある日、木端微塵になった。まあ、木端微塵というのは嘘だが、打鍵が強いのは事実である。おそらく人差し指と中指はねじりこむようにして打っているのだろう。ダメージは、普通に打つ場合の約三倍なのだ。仕方なく2台目のThinkPad外付けキーボードを購入し、それ以降は静かに打つように心がけている。

同様に使い続けている外付けキーボードがAppleのフルキーボードだ。iMacで使っていたものである。これも、打ちやすい。質感はさすがにAppleの方が上で、見た目も格好がいいのである。テンキーに「,」と「.」が付いているのも使いやすかった。ただし、私のデスクは黒で統一されいるから、白は浮いて見えるのだ。

さて、いよいよ本題である。

ThinkPadAppleのキーボードも、確かパンタグラフ式だったと思うのだが、「いやいやいや、プロの物書きならメカニカル式一択でしょうが」という声を聞いた。私は権威的意見に弱い男なので、すぐに影響され「プロと言うには稼ぎが少ないが、それはパンタグラフ式のキーボードのせいだったに違いない。よーし、私もメカニカル式を使うのだっ」と決断した。

そう言えば、ジャストシステムから、キーボードのDMが送られてきていたな。タイミング的には、まさにジャストではないか。そう思って見てみると37,980円である。思わずアホですか~っと叫びましたね。

初期型Ryzen7のミニPCを43,000円で買って使っている私に、そんな不釣り合いなキーボードが買えるわけがない。キーボードとパソコンが同程度の金額など、バランスが悪いのである。調べてみると、リアルフォースという高級キーボードと一太郎のコラボらしい。一太郎のキーカラーである赤が、キーボードにも採用されていた。なんでもかんでも一太郎化する企業である。馬鹿じゃないのか。

で、安いメカニカルキーボードを探していて見つけたのが「iClever G02」というゲーミングキーボードなのだ。なんと5,600円である。いやいやいや、決して安くはない。1,000円くらいで買えるキーボードもある。だが、メカニカルキーボードとしては安いのである。

赤軸、テンキー付きのフルキーボード、カナ表記があり、さらに文字はレーザー刻印である。ゲーミングキーボードだから、キーがカラフルに光ったり点滅したり光が走ったりしよるのである。

まあ、実際には打鍵の際にキーは見ないから光るのは関係ないのだが、面白いと言えば面白い。邪魔な場合は、光量を落としてまったく光らない設定にもできるので問題はない。むしろナンバーロックの緑色のLEDの方が気になるくらいで、私は黒いテープを貼っておいた。

しばらく使ってみたのだが、確かにメカニカルキーボードは打ちやすい気がする。というか打っていて心地いい。

アップルキーボードやThinkPadのものと比べると打鍵音は大きいが、決して邪魔ではない。むしろ集中力が増す感じで、自分がタイプライターを打っているマンハッタン在住のハードボイルド作家のような気がしてくるのである。ちなみに「J」や「N」などの音質が悪い。キーのエリアによって若干音が変わるようで、これは個体差なのか構造的に仕方がないのか、それとももっと高級なメカニカル式なら一定の音質なのか、なにしろ初めての経験なのでわからないのである。

なんかリアルフォースとかいう高級キーボードにも興味が出てきてしまった。非情に危険な兆候である。まあ、書くのが仕事である以上は、筆記用具はそこそこ重要だ。キーボードは、言わば筆記用具であり、こだわるのは自然の流れだろう。

ちなみにThinkPad外付けキーボードにはファンクションキーに「音量ボタン」があったのだが、G02にはない。エロ動画を見ていて、あえぎ声が大音量で流れたりしたら問題なので、とりあえずVolume2というソフトを導入して対応した。やれやれである。

一つだけ要望があるとすれば、光らなくていいからこの品質のまま3,980円のメカニカルキーボードを出してほしいというものだ。4,380円でもいい。十分に需要はあると思うのだが……。そもそもG02自体、テンキーが付いていたりカナ表記だったり、ゲーマーよりも一般ユーザーに向けた印象がある。メーカーには、ぜひお願いしたい。