だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

私がピクセル6で使っているカレンダーアプリ、そしてついでにバルミューダフォンのスケジューラーのこと。

全然忙しくないのだが、忙しい振りはしている。そうした意地というか、正確に言うと見栄すら張らなくなったら、もうフリーランスとしてはおしまいなのだ。武士は食わねど高楊枝。伊達の薄着で世間は張り物、英語で言えばkeep up with Jonesesである。

例えば、スマホのスケジュール帳はびっしりと埋めておかなくてはならない。実際にはスカスカなのだが、そんなのを見られれば「ああ、ヒマなんですね」とバレてしまうのである。ヒマ=無能であるから、無理矢理予定を作って書き込んでいる。そのうちトイレの予定も書くようになるのではないかと心配だ。

最初気に入ったのは「DigiCal」というスケジュールアプリだった。ぱっと見オシャレな外観である。上に一ヶ月のカレンダーが配置され、下の部分にその日の予定が列記される。一ヶ月のカレンダーを横にスライドさせると、次の月のカレンダーとなる。

だが、一点不満なことがあって、月表示(文字付き)にすると下の列記がなくなる。月表示での文字スペースは小さいから、当然、文字も小さいし、予定が多い場合は全部おさまらないのである。ちゃんと見るためには、タッチしてポップアップ表示させなければならない。それは、面倒なのだ。

なぜ、月表示でも確認できて、さらに下には詳細までわかるようなシステムにしないのかっ、と腹立たしいのである。

色々なアプリをインストールして使ってみた結果、Yahoo!カレンダースケジュール」というのがその条件を満たしており、そちらに決定した。その日の予定が月表示画面にも下の部分にも表記されており、タッチする手間がいらない。さらに完全無料であり、広告の類いも表示されない。

また使い勝手のいい機能が搭載されていて、予定を入れる際に、前に入れた文字列とスタンプがズラッとでてくるのでいちいち入力しなくてもいい。ルーティンワークなどを記入する際に便利なのだ。

ただし、「Yahoo!カレンダースケジュール」は、あまりデザインセンスは良くない。少なくとも今風ではない。都会ではなく田舎。美女と言うよりも隣のお姉ちゃん。まあ、私の場合は普段から美人を見慣れているのでどちらかというと隣のお姉ちゃん的な女性に(以下略)。

最近はやりのダークモードもないみたいだし、それでいて無駄にスタンプの種類が多い。くまモンや猫といった着せ替えテーマもあるみたいで、どちらかというと軟弱者のスケジュールアプリといった印象である。

最初、クールテーマを選んでみたのだが、それでもあまりクールじゃない。仕方がないのでショコラテーマを選んだ。予定表の中にケーキのイラストが薄く入っているのだ。全体のバランスや配色で言うと、これが一番マシである。

ちなみに超高額なのに低性能で使いにくいと話題になったバルミューダフォンのスケジュールアプリも使ってみたのだが、デザインと動きに面白さはあるものの、使い勝手はものすごく悪い。これを作った人は、果たしてどのくらい使い込んでみたのか疑問である。完全に独りよがり。残念ながら三日ほど使って削除した。見た目は面白いんだがなあ。

話題にさえなればいいのならバルミューダフォンは成功だったと思うのだが、あれほど評判が悪ければ、やはり失敗と言えるのではないか。値段も当初の半額近い78,000円になっている。それでも高いと思うが。同じ値段でPixel6が買えるではないか。

バルミューダフォンを見て以降、私はバルミューダの他の製品にも魅力を感じなくなってしまった。ブランド価値を下げてしまったのだ。なによりバルミューダと聞くと、社長のあのメッセージが思い出されるのである。

「しかし、それらが、あくまでも私たち人間が使うものだと考え、人々にとって重要な芸術的な価値を付与することができたのは、彼だけだったのだと思います。このテキストの最後に。彼に最大の敬意を表します。故・スティーブ・ジョブズ氏に」

過剰に思いを語るのは、やはり恥ずかしいのだ。あ、この場合は「思い」ではなく「想い」か。まあ、誰もがポエマーの部分は持っており、この文章を他山の石とすべきだろう。私も自戒しようと想う。いや、この場合は「思う」だな。