だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

私がピクセル6で使っているダイエットアプリ、20日で2キロの減量に成功。

不細工な割に、美意識は高い。

確か「銀河英雄伝説」だったと思うが、「太ると妻に嫌われるからな」と捕虜になった際に出された食事を食べなかった登場人物がいたが、そういうセリフはいつまでも残っている。不細工ではげていて、この上、腹が出てしまったらおしまいなのだ。私の美意識が許さないのである。

運動神経は鈍いのだが、ジョギングやらウォーキングやらで体を動かし続けているのは、そんな「太りたくない」一心なのだろう。まあ、強迫観念と言ってもいい。

最近、スマホを導入し、「ほお、こんなアプリがあるのか」と毎日Playストアを眺めている。パソコンは単なる書く道具だからエディタくらいにしか興味がなかったのだが、スマホはもっと幅広い道具であって、興味のあるアプリの幅も広くなるのである。

ある日、ダイエットアプリが大量にあるのを知り興味を持った。その一つを選んで毎日使っている。

「男性用ダイエット-30日間で体重減少・減量アプリ」というアプリだ。まだ20日くらいしか続けていないのだが、すでに2キロ減った。なんとなくスマホの無料アプリということで馬鹿にしていたのだが、信じてやり続ければ、効果は出るらしい。ちなみに開始時は身長175㎝で体重は72㎏だった。今は、60㎏台に突入している。

最初、プログラムが画面に現れたときは「なんじゃ、こりゃ」と呆れた。スクワットが18回!? おいおいせめて180回にしとけよ。18回なんて一瞬で終わるぞ。

ひとつひとつのプログラムが、随分と優しいのである。スクワットや腕立て伏せなら18回、腕立て伏せの体勢で足を交互に引き寄せるマウンテン・クライマーというプログラムなら30秒。回数や秒数を見ると実に簡単に思える。だが、10秒の休憩を挟んで続けざまに9つのプログラムをこなしていくのは、結構きついのである。息切れが激しいので、私は休憩時間の設定を15秒にのばした。

腹筋を鍛えるものが多く、すぐに腹筋が限界を迎えた。普段使っていないせいか、首の筋肉もきついのである。私は、「なめていて申し訳ありません」とアプリに向かって謝ったのだ。

良くできたアプリだと思う。こんなのが無料で使えるのはありがたい。また、こうしたアプリは、持ち運びが簡単なスマホだから活用しやすいのであって、パソコンではなかなか続けることはできないだろう。いやあ、スマホにして良かった。

「用意スタート。次へ。マウンテン・クライマー30秒」

スマホからアプリの声が流れると、私は「はいっ」と返事をして、100円ショップで買ったマットの上でマウンテン・クライマーをはじめるのだ。アプリの声が草薙少佐だったら、もっとモチベーションが上がるんだがなあ、などと思いながら。