だれかが松葉杖で扉をたたく

結構、嘘つきである。

なんじゃい、この格好良さは!?と思った「私、オルガ・ヘプナロヴァー」のポスター。

私のモットーは「清く正しく美しく」である。ただし、私の見た目はそれに完全に相反する。残念でならない。

その反動なのか美意識や美学に関しては必要以上にこだわってしまい、金ぴかのロレックスや左ハンドルのベンツは猛烈に軽蔑するのである。だが、それが嫉妬から来る感情であることは認識していて、まあ、生きづらいことこの上ない。

さて、昨日も暇つぶしのためにネットをのぞいていると、実に美しく格好いい映画のポスターを見つけたのである。こんな格好がいいポスターは、「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」のモスラ版以来ではないか。

「私、オルガ・ヘプナロヴァー」という映画のポスターである。23歳で絞首刑になったチェコスロバキア最後の女性死刑囚を描いた映画なんだそうだ。彼女は路面電車を待つ人々に向かってトラックで突っ込み、8人が死亡し12人が負傷。犯行前に「自身の行為は多くの人々から受けた虐待に対する復讐であり、社会に罰を与えた」といった内容の犯行声明を新聞社に送っており、逮捕後も反省の色を見せず、23歳で絞首刑に処せられた。

彼女の言動を支持するわけではないが、「死刑になりたかった」などと刷り込まれた理屈づけをする頭の弱い連中と比べると、遙かに人間的に思える。ただ、元々精神疾患があり薬物乱用の影響もあったようで、「虐げられた人間の社会への復讐」とは単純には言えないようだ。本人は、自分は正常だと言い張り、弁護士への協力も放棄している。

映画評では、「オルガの人格や行動の擁護も、伝記映画にありがちな感情的な演出もあえて排除し、ドキュメンタリー的なリアリズムで作り上げた」とのことだが、どうなんだろうなあ。主役のミハリナ・オルシャニスカは美形だが、本人は黄色人種から見ればまあまあ美人程度であって、どちらかというと中性的な顔立ちである。

予告編を見てみたんだが、そのモノローグにこんなのがあった。

「選択肢は自殺か殺人か。私は決断する。私、オルガ・ヘプナロヴァーは、お前たちに死刑を宣告する」

このあたり、ポスター同様に実に格好がいいのである。アホが影響されなきゃいいんだけどなあ。まあ、少なくとも日本のアホは、こんな映画を見る可能性はゼロだろうが。

ちなみに私にとって「格好いい映画のポスターベスト3」は、ゴジラ キング・オブ・モンスターズとエイリアン、そしてドラえもん「南極カチコチ大冒険」のものだったのだが、「私、オルガ・ヘプナロヴァー」が一躍1位に躍り出たのである。おめでとう!

まあ、私がほめても誰も喜ばんか。むなしいのお。

いやあ、格好いい。邦題の付け方もその入れ方も素晴らしい。